TOP   SS   イラスト
<< 前頁  1スレ目  次頁 >>
757 名前:ある休日の朝 @[sage] 投稿日:2005/06/09(木) 13:13:36 ID:BXDhpKgy
カーテンの隙間からこぼれる陽射しが眩しくて
もう少し寝ていたいなと思いながら、今何時だろうと目を開ける。

「ん…。」

「あ、せっちゃん起きたんやね。おはようや〜。」
「…え?」

時計を確認しようと目を薄く開けた途端、聞こえてきたのはお嬢様の声で…
トタトタトタという足音と共にお嬢様の顔が近寄って…って、えぇぇぇぇっ!!

「お、おっお嬢様?!」
「もぉ〜せっちゃん、またお嬢様ていう〜!それに、まず起きたらおはようやえ?」

プーッとなりながらお嬢様が、このちゃんて呼んでて言うてるやろ?と言う。
しかし長年のクセはそう抜けないというか…、それにまだ恥ずかしいのだから仕方ないでしょう?
こんな私の心情も知らず、お嬢様はニコニコしながら、ほら、せっちゃんおはようや〜なんて言ってくる。
うっ…その笑顔は反則だと思うのですが…。

「お、おはようございます。……この…ちゃん。」
「はい。おはようや♪せっちゃん♪」

真っ赤だ…。私の顔は真っ赤になっているに違いない。顔が熱いのが分かる…。
朝起きたらお嬢様が居て、のんきにおはようや〜なんて言われているし…って、ん?
そうだった。すっかりお嬢様のペースにハメられて忘れてしまうとこだったっ。

「って、そうではなくて!お…、このちゃん、何故ここに?」
「ん〜?なんでって…ここウチの部屋やしなぁ。そんなん言われても困るぇ〜。」
「…え?」

758 名前:ある休日の朝 A[sage] 投稿日:2005/06/09(木) 13:15:26 ID:BXDhpKgy
言われてみれば、今寝ているベッドは自分のものと違うし…部屋の感じも…。
キョロキョロと部屋を見回しながら、ぼやけていた頭が少しだけどハッキリしてくる。
そうか。昨日は明日菜さんとネギ先生はエヴァンジェリンさんの所へ泊まりがけで修行をするとかで
私はお嬢様の部屋へ泊まりに来ていたのだった。
寝ぼけて忘れてしまうなんて…私はまだまだ未熟者だな…。

「あれ〜せっちゃん、もしかして寝ぼけてるん〜?あん、もうかわええな〜♪」
「おおおおお嬢様っ!やめてください〜!それに寝ぼけてなんていませんっ!」

ヒシッと抱きつかれて、今度こそバッチリ目が覚める。ホントに心臓に悪いですからやめてくださいっ!

「あん。なんや、せっちゃんのイケズぅ〜。あ、そやった。朝ご飯もう出来てるで♪一緒に食べよ♪」
「は、はい。では、顔洗ってきますねっ!」

お嬢様の腕から逃れるように早足で洗面所へ行って、パシャパシャと水で顔を洗い、鏡で顔を確認する。
よし、顔は赤くなってないな。大丈夫。
急に抱きつかれたりするものだから、対応に困ってしまう…。心臓はまだドキドキいっているし…。
とにかく、気を落ち着かせないと…。

759 名前:ある休日の朝 B[sage] 投稿日:2005/06/09(木) 13:16:53 ID:BXDhpKgy
部屋へ戻ると、テーブルの上には朝食が準備されていた。
さっき抱きつかれた事でまだドキドキいっている胸を押さえつつも席に座る。

「これは…、全部お嬢様が作られたのですか?」
「そや♪今日はせっちゃんと一緒に食べるから、少しはりきりすぎたわ〜。」
「おおおお嬢様…。」
「あ、この卵焼き自信作やねん。ふわふわなんよ♪ほら、食べな冷めてまうえ〜。」
「はい。いただきます…。」
「いっぱい食べてな〜。じゃ、ウチもいただきます〜。」

テーブルの上には、湯葉の入った白味噌のお味噌汁に鮭の塩焼き、ふわふわの卵焼きや胡瓜の酢の物、
焼き海苔、茄子の浅漬け、それにホカホカの白御飯。なんともお嬢様らしい、純和風のメニューだ。

――――それに…お嬢様と食べる朝食なんて何年ぶりだろう。

「はいっ。せっちゃんアーンや〜♪」
「へっ?あ、えっ?ぇぇぇぇええっ?!い、いけませんっ!お嬢様っ!」
「なんでや〜!昔はようやったやんか〜!ほら、アーンしてぇな〜!」
「いやしかし、お嬢様、心の準備というものが…あぁっ…。」
「ほらまたお嬢様ていうし…。せっちゃんはウチと昔みたいにするのが嫌なんやな…うぅ…。」

よよよとお嬢様が泣き崩れる。
え?うわっ!どうしよう!お嬢様を泣かせてしまった!

760 名前:ある休日の朝 C[sage] 投稿日:2005/06/09(木) 13:18:10 ID:BXDhpKgy
「お…、このちゃん、泣かんといて。昔みたいにするのが嫌やとか、そんなん全然ないから…。」
「…せっちゃん?」
「ほんまはずっとこうしたかってん。…けど、その恥ずかしかって…。」
「せっちゃん!」

ガバッと抱きつかれて、背中に手が回される。
なんだろう。もの凄く、優しい気持ちになってくる。

「…このちゃん。ごめん。このちゃん…。」

ギュッと抱きしめると、背中に回っていたこのちゃんの手がキュッとシャツの背中を握る。

「せっちゃん、離れてた間の時間、取り戻そな。うち、せっちゃんの傍から離れへんよ。」

顔をあげて、目に涙を溜めながら言ってくれたこのちゃんの言葉が嬉しくて…。

「私も…ずっとこのちゃんを守るから。傍から…離れへんから…。」

言ってもう一度抱きしめる。なんだか恥ずかしがってたのが嘘みたいに心が凪いでいる。



―――また、昔のようにこのちゃんと…―――。

761 名前:ある休日の朝 D[sage] 投稿日:2005/06/09(木) 13:19:16 ID:BXDhpKgy
ガチャ。

「だーかーらー、アンタは子供のクセに無茶しすぎなのよ!エヴァちゃんにコテンパンにされちゃって。」
「えへへ。でも、少しは上達してきたと思いますよー。って、えぇぇぇっ?!」
「…え?」
「…あ♪」

明日菜さんにネギ先生?!予定では帰ってくるのは夕方だったはず…!

「あああああ明日菜さんっ!ネギ先生っ!いや、これは、あのっ!違うんですっ!」

抱きしめていた手をサッと解いて、弁解するも…ああ、明日菜さんニヤニヤしてます…。

「あらあら、お邪魔だったみたいで〜。ネギ坊主、もう1日エヴァちゃんの所に修行に行こっかぁ。」
「あ、はいっ!あの、すみません!僕たちお邪魔だったみたいでっ!」
「いや、違いますからっ!このちゃんとは何でもないですからっ!行かないでください〜!」
「うわ〜ん、やっぱりせっちゃんはウチの事はどうでもええんや〜!」
「ええっ!このちゃん、そんな事ないて!さっき言うたやん!」
「いつの間にか、このちゃんって呼んでるし〜。やっぱり何かあったのね〜♪」
「あああ明日菜さん〜!だからこれはですねー!」


この後、しばらくの間からかわれ続けたのは言うまでもありません…。

<< 前頁  1スレ目  次頁 >>


ページトップ

管理人:虚武僧
web拍手
┣サイトへの意見・要望
┗リンクミスの報告など