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306 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/21(木) 00:58:29 ID:yXWbQZXP | ||||
「んー。せっちゃんはマシュマロやなあ」 「…はい?」 穏やかな空気の中、それを乱そうという気はないにせよ、 お嬢様の言葉は私の心に各確実に波紋を生じさせる。 そのたび私は意識を持っていかれてしまって、半ば放心状態のようになるのもいつものことで。 ふと我に返るとお嬢様が私の目の前で意識を確認するように手を振っていたりして、 ああ、情けないなあと痛感させられる。 貴女はそれをわかっているのでしょうか。 「……え、っと。マシュマロ…とは…」 「せやから、せっちゃんは真っ白やろ?それで、甘くて、ふあふあーって…な、マシュマロやん?」 「…う、うーん…?」 このようにお嬢様は、時々物凄く抽象的な表現をされる。 …少々失礼な言い方かもしれないが、 そのあまりに漠然とした言葉の群れを、私は"お嬢様語"と称していたりする。 この、古くからのしきたりだとか、剣の太刀筋などで硬く凝り固まった私の脳では、 お嬢様の放つとても易しい言葉を理解することは難しいのだろう。 というか、甘いとか、ふあふあ、だなんて言葉は、貴女にこそ似合うと私は思うのですが。 「ええー?ちゃうー、せっちゃんのが甘くてふあふあやもんー」 「…そ、うでしょうか……?」 「そう!」 「………お嬢さまがそう言われるのなら、そうなのでしょうね」 「む」 | ||||
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307 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/21(木) 00:59:12 ID:yXWbQZXP | ||||
私の言葉に、お嬢様が苦々しい顔をされる。 これはいけない。また何かご機嫌を損ねるようなことを言ってしまったらしい。 とは言っても、何がお嬢様のご機嫌を損ねてしまうのか、私にはまるでわからないのです。 「…あの、」 「その言い方、ずるい」 「……え、と?」 「…も、何回言ってもわからへんみたいやから何度でも言うけど。 せっちゃんちゃんと自分の意見言うてる?ウチに合わせとるだけと違う?」 「………そんなこと、」 「ある」 「…………そう、なのでしょうか」 「…せやから、それなんよお!」 「……ぅ…すみませ……」 「あやまらんといて!」 そのように言われましても。 謝る意外に、私に何ができるというのですか。 「……なら…お嬢様、こそ」 「へ?」 「本当に本音で話してくださっているのですか」 | ||||
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308 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/02/21(木) 00:59:41 ID:yXWbQZXP | ||||
…わからないのです、何も。 貴女の考えていることなど、私にはわからないのです。 でも私はわかりたくて、わかりたいのにわからなくて、もどかしくて仕方がないというのに。 これ以上私を苦しめないで下さい。 「せっちゃんてば阿呆やなあ」 「は?」 「本音を話してくれへん人に、本音で話せる訳ないやん」 ああ、確かに。 貴女はわかっていないようで、もしかしたらもっと根元の方を見ているのかもしれない。 その穏やかな瞳の中に実は鷹を飼っていて、 私の見られたくなくてぐるぐるに固められている芯の部分を、高々と見下ろしているのかもしれない。 私はさながら、狙われた獲物ですか。 | ||||
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