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130 名前:AM ◆NefofEqi5k [sage] 投稿日:2006/07/17(月) 16:10:27 ID:eBqW0dx/
溜息まじりの風の中、雨にまぎれてあなたが見せた、涙の理由はうちにはようわからへん。
そのあなたがふさいでいる心の痛みはいつか誰かが壊せるんかな……。



「せっちゃん……」
あなたの名を呼んだ声は誰にも届くことなく地に溶けていく。
だって息を殺したままうつむいて泣いているあなたの姿を見れば声なんてかけれるはずがない。
「あ、お嬢様…。 居たなら声ぐらいかけてくれてもいいじゃないですか……。」
涙を拭いて笑ってるけど、そんな辛そうな笑い方ではうちを余計心配させるだけやのに。
それなのに何であなたは笑うん?
なんで辛いなら辛いって言ってくれへんの?


「お嬢様………。」
あなたの差し出した腕から微かに感じる過去の傷と暖かさ。
生れたときに背負ったあなたの運命を、この腕、胸、すべてから伝わってくる。
雨が降っているのに暖かい。

あぁ、どうしよう。
愛しすぎる。

131 名前:AM ◆NefofEqi5k [sage] 投稿日:2006/07/17(月) 16:11:40 ID:eBqW0dx/
「お嬢様、どうしてそんなに悲しい顔をしてらっしゃるのですか……」

私はあなたの胸の中。
鼓動の音が、子守唄に変わる。

「辛いことがあったら言って下さい。貴方が笑わないなら、私も笑えないので、どうか何時も微笑んで居て下さい。」

あぁ、何故だろう。どうしてこの人の胸の中はこんなにも落ち着くんだろう。
自分が辛いくせに、人の心配している。そのあなたの優しさが、その温もりが、うちを落ち着かせるんやろうか。

「せっちゃんだって、辛いならうちに言って。うちだって寂しいんよ。」
「すいません」

あぁ、駄目だ。
眠ってしまいそう。
この胸の中でやったら死んでもいいかもしれへん。

心の中で苦笑い。
やっぱりこの人の胸の中ではいつもへんな事を考えてしまう。

「言える時になったら言って。うち、いつまでも待っとるから。」
「はい。」

132 名前:AM ◆NefofEqi5k [sage] 投稿日:2006/07/17(月) 16:12:50 ID:eBqW0dx/
胸に残るはあなたの優しさ。
腕に残るはあなたの温もり。

ただ、このままで居たいなんて。
そんな愚かな考えをするほど自分は幼稚で。
それでも、うちは抱きついた手を離さなかった。

「そろそろ帰らないと、風邪をひかれてしまいます。」
「いやや…… もうちょっとこのままで居たい。」

あなたは、何も言わず優しくゆっくり私を包んでくれた。

あぁ、分かった。
うちがこの腕に抱かれた瞬間。
うちは囚われてしまったんやって。

今日も明日も、うちはあなたに囚われたまま。
あなたがうちから遠のいても、きっとうちはあなたに囚われたまま。
そんな事を考えて、こっそり失笑した。

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管理人:虚武僧
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