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820 名前:全てに於いて…[sage] 投稿日:2006/04/30(日) 20:49:42 ID:JWQh1PSS
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私は、何もかもに絶望していた。
絶望しきって、生きる価値を、自分が自分である確証も。
全てを、私は見出せなくなっていたんだ。
当時の私は、そんな絶望の淵に佇んでいた。
―だって、私は、半分妖怪で、其れも禁忌の存在だったから―
何があっても動じぬ心、絶望においての、副産物を手に入れた。
―自分が解らない、故に、全てを無にする、唯一無二の心―
其の時から、早くも数年立ってしまった。
今や、私の秘密を知る友人も、魔法を知る先生も、私を求めてくれる人も、出来た。
私は、私を求めてくれる、彼女を命に代えても、護る。
彼女は私がそう云うと、とたんに…
「あかんよ!そんな事までして、せっちゃんに護ってくれても、残されたウチは、如何すれば良いん!?」
と、物凄い勢いに圧倒されてしまう。
勿論、私は圧倒されながらも、宥めるぐらいしか出来なくて。
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821 名前:全てに於いて…[sage] 投稿日:2006/04/30(日) 20:50:25 ID:JWQh1PSS
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彼女は、私に笑いかけてくれる、只それだけでも幸せだというのに。
私は、彼女を、心の奥底から、好きになり、求めるように成ってしまった。
―元々、拾ってくれた恩を返していたにも関わらず、だ―
私は、今は完全に避けられない状況にあると言うこと。
―麻帆良に来てから一年目に、気付いていたんだ―
相手も、私も、好きと言うこと。
両思いだってことを。
其れでも只、少しでも拒絶するしかなかった。
―彼女は汚れてはならない、私と、穢れているものと、関わってはいけない―
しかし彼女は、私が引いた一線を軽く、しかも軽快に飛び越えてきた。
―私への拒絶の対象である翼を「天使の羽」と称した、彼女だからこそ―
私の理性も知らずに、軽くこう言った。
「せっちゃんが護ってくれるなら、ウチはウチの全てを預けたる」
…だから、私の理性は、軽く吹っ飛んでしまった。
其れでも、私に関わってくれる彼女に、感謝しよう。
全てに於いてありがとう、と。
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