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412 名前:浮気[sage] 投稿日:2007/04/12(木) 00:08:22 ID:09cMWb2V

心の変化。
それは誰にでも起こりうる、必然的なものだと私は思う。
現に私だって・・・・。

*

貴女を救えなかったあの日から、私は力を得ることだけを考えて生きてきた。
貴女の身を守る為に、何年も何年も修行だけを行なった。
心に迷いができないように、貴女自身との接触も断って。

しかしそれは、ネギ先生と明日菜さんによって簡単に崩された。
修学旅行が終わってから、貴女は気がつけば私の傍にいた。
・・・・私も気が付けば、貴女に近づいていて。
近くでしか見れない貴女の事が知りたかった。

でもそれも次第に崩れていった。
貴女に向いていた好奇心が、違う方向に傾いていく。
伝説の父を追う、天才の少年に。
私を師匠として慕ってくれる、破魔の少女に。
・・・・初めて得た、貴女以外の友人達に。

最も傍にいる貴女ではなく、他者に興味を持ち始めた私。
そんな私は・・・・貴女と空いたわずかな距離に、気付く事ができなかった。

413 名前:浮気[sage] 投稿日:2007/04/12(木) 00:09:17 ID:09cMWb2V

*

「最近見てくれないね」

重く圧し掛かる貴女の言葉。
私たちだけしかいないこの部屋に、貴女の言葉が響く。

「アスナやネギ君ばっか」

――興味があるんです。
私や貴女以外の人間に。

「ウチには興味ないん?」

――そんなことはありません。

「嘘」

わずかに空いた距離を助走に使い、貴女は後ろから私にぶつかってくる。
私はそれを避けることができなかった。
貴女を、見ていなかったから。

――嘘なんか、ついていません。
ゼロに近い距離で、動揺を抑えながら紡ぎ出す言葉。
でも私は、貴女を直視できなくて。

「・・・・ウチの事は知りたくないん?」

私を捕らえる貴女の手に、力が込められる。
なぜ、貴女はそうやって私を悩ませるんだろう。

414 名前:浮気[sage] 投稿日:2007/04/12(木) 00:10:06 ID:09cMWb2V

――私は、貴女をずっと見てきましたから。
だから・・・・知っている。
そんな言い訳を吐き出したが、それは私自身に突き刺さった。
それは、いつも自分に言い聞かせていた言い訳だったから。

「・・・・今日のせっちゃんは、嘘つき」

あぁ・・・・貴女は私よりもずっと、私を見ている。
全部、見透かされている。

「せっちゃんの知らない事・・・・ウチずっと隠してるのに」

・・・・わかっている。
だってそれを知りたくならない為に・・・・ずっと貴女から、自分から、目を逸らしていたのだから。
これ以上見ていたら、知ってはいけないそれまで知りたくなってしまうから。
だからずっと、他者に目を向けてきた。

「知りたく・・・・ないの?」

無言である私の葛藤を、知ってか知らずか。
貴女は私を誘う。
友人たちに向けていたはずの好奇心は、いつしか再び貴女に向けられた。
知ってはいけないと思っていたのに・・・・もう知りたくてたまらない。
今すぐに身体を反転させて、貴女を捕らえたい。

「やっと、見てくれた」

そんな私に気付いた貴女が、私から離れていく。
手を伸ばして留まらせようとしたが、それは綺麗に避けられた。

415 名前:浮気[sage] 投稿日:2007/04/12(木) 00:10:58 ID:09cMWb2V

「秘密やから・・・・隠すんやえ?」

取り残される私は、貴女からもう目を離せない。
貴女のその笑顔の理由は、私が貴女を見ているからなのか・・・・それとも・・・・。

部屋の奥に立ち去る貴女に、私は自然と付いていく。
貴女の持っている秘密を、知りたくてたまらない。
もう私には、貴女しか見えない。
・・・・抑えられない。


もっと貴女の事を私に教えてください。
もう浮気なんて、決してしませんから。
だから、貴女の事を知る権利を・・・・私に与えて下さいませんか?


FIN

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