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787 名前:拾い物シリーズ 子猫編[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 13:48:35 ID:HMSXFkG5 | ||||
「刹那、その猫は?」 「・・・・魔物に攻撃されて怪我してるところを保護した」 ここは桜咲刹那と龍宮真名の部屋。 入浴を終えた龍宮が指差すのは、ミルクを舐めている一匹の白い子猫。 毛には痛々しく血がついていたが、さほど怪我はひどくないようだ。 「だが私たちは・・・・」 「もちろんここでは飼えないから、怪我が治れば外に放すさ」 「そうか」 「私もシャワーを浴びる。少しこいつの事を見ててくれ」 そう言って刹那は、部屋に備え付けられているシャワー室に向かう。 ――彼女が戻ってくる頃には、龍宮と子猫は仲良くじゃれていた。 「刹那、こいつ可愛いな。名前でも付けたらどうだ?」 「すぐ放すのに、か?」 猫の両手を持って万歳をさせる龍宮。 子犬だけではなく、可愛いものなら何でもいいようだ。 「拾ってきた以上、里親を探すまでが義務だ。しばらくは面倒を見るのだから、拾ってきたお前がつけてやれ」 「じゃあ"十六夜"。今夜が十六夜の月だから」 「・・・・お前らしいな。なぁ、十六夜?」 さっぱりとした名付けに龍宮は少し呆れるが、しっかりとその名前を呼んでいた。 刹那はそんな龍宮に呆れ返し、今後の事を考える。 「・・・・里親、か」 | ||||
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788 名前:拾い物シリーズ 子猫編[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 13:49:22 ID:HMSXFkG5 | ||||
* 「この子が"いざよい"ちゃん?」 「はい」 次の日の放課後、早速噂を聞きつけた木乃香が遊びにきていた。 「"いざよい"やなんて、せっちゃんかっこええ名前つけるなぁ」 「え、そ、そうですか?」 適当につけたと言えず、焦る刹那。 が、木乃香はそんなことは気にせず子猫と遊び始める。 「ん〜、この子美人さんになりそうや」 「真っ白ですしね」 「しっぽも長いし、性格も懐っこいしなぁ〜」 子猫の頭を優しく撫でる木乃香。 子猫もゴロゴロと喉を鳴らして甘えていた。 「あ・・・・そろそろ餌をあげないと」 「何あげてるん?」 「猫缶です。龍宮の神社にも野良猫がたくさんいるらしくて、少しもらいました」 パカンッ 「っにゃー!」 缶詰めを開けると、子猫はその音に反応して木乃香の膝から飛び降りた。 そして刹那の足元に擦り寄る。 | ||||
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789 名前:拾い物シリーズ 子猫編[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 13:49:54 ID:HMSXFkG5 | ||||
「こら、危ないだろ・・・・」 「んにゃっ」 「あはは、十六夜ちゃんは食いしん坊やなぁv」 大慌てでご飯に食らい付く子猫をみて、二人は笑いあった。 そして刹那は、テーブルの前に座っている木乃香の隣に座る。 「・・・・ほんで、里親捜してるんやって?」 「はい・・・・"拾った子猫を外に逃がすのは、捨てるのと同じだ"って龍宮に怒られまして・・・・」 刹那はうな垂れた。 子猫を保護したのは、ちょっとした成り行きだったのだろう。 そこまで深く考えてなかったのが窺える。 「まぁまぁ・・・・ウチも協力するから、な?」 「す、すみません」 元々交流関係が狭い刹那。 子猫の里親探しには、本当に困っていたようだった。 「せっちゃんの為やもん、いくらでも手伝うえ?」 「お嬢様・・・・」 自然と縮まる二人の差。 ほのかに頬を染める木乃香は、明らかに刹那を意識していた。 しかし、純粋に感謝する刹那には伝わらない。 「んにゃ〜」 「ん、十六夜? どうし・・・・うわっ」 | ||||
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790 名前:拾い物シリーズ 子猫編[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 13:51:34 ID:HMSXFkG5 | ||||
餌を食べ終えた子猫が、刹那の膝に乗った。 その際に前足で、刹那の足を揉む。 猫が甘える時にする行動だった。 「・・・・せっちゃん、お母さんやと思われてるんやな〜。なんや羨ましいわぁ」 「で、でもこれ、こそばい・・・・こら、十六夜!」 子猫に気をとられる刹那は、隣の木乃香の異変に気付くことなかった。 少し黒いオーラを放ち、子猫と刹那を見比べている。 「・・・・せっちゃん」 「あ、はい、なんでしょうお嬢様?」 木乃香は少し腰を持ち上げて、刹那ににじり寄る。 そして狙いを定め――。 「・・・・ウチも抱っこ〜!」 「・・・・・・・・えっ!?」 ――この後すぐ、龍宮が戻ってきた。 彼女によると、部屋には二匹の子猫にじゃれ付かれて困り果てた刹那がいたらしい。 なお、子猫は茶々丸が引き取ってくれたようである。 FIN | ||||
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