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795 名前:拾い物シリーズ 小鳥編[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 22:23:48 ID:HMSXFkG5

「今日の任務も完了っと・・・・ふわぁ・・・・」

朝早く、公園のベンチに刹那は腰掛けていた。
今日の退魔師の仕事は早朝のモノだったらしく、公園で朝食をとっているようだ。

(これで今日は一日フリーか・・・・久々の休日だし、部屋でゆっくりと・・・・ん?)

バサバサッ!

「うわっ!?」

突然耳元で響いた羽音。
一瞬振り払おうとしてしまったが、羽音の持ち主はめげずに刹那の腕に留まった。
そして刹那の手にあったおにぎりを啄ばみ始める。

「な・・・・なんだ、この鳥・・・・?」

大きさはスズメ程度。
全身の色は白で、赤くて大きなクチバシを持っている。
その鳥は人間である刹那を恐れずに、勝手に刹那の朝ご飯を食していた。

796 名前:拾い物シリーズ 小鳥編[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 22:24:31 ID:HMSXFkG5

「チュンッチュン」
「これは文鳥ですね」
「それも白文鳥っていう種類だそうです――」

その後、刹那は木乃香の部屋に訪れていた。
猫や犬ならまだしも、鳥という珍しい拾いモノに困り・・・・結局は幼馴染に助けを求めたようである。
ちょうど木乃香の部屋には図書館組が遊びに来ていたため、すぐに種類や世話の仕方を確定する事ができた。

「それにしてもこの子、すごい人馴れしてるわね〜」

小鳥を弄ぶハルナ。
それを怪しげなジュースを飲みながら分析する夕映。

「文鳥はペットとして人気が高いですから・・・・きっと、飼われていたのが逃げてきたのでしょう」
「カラスとかに襲われんうちに保護できて良かったなぁ・・・・さすがはせっちゃんや」
「保護したと言うより、保護させられたと言った方がいいかもしれませんが・・・・」
「何か運命的なものを感じたのかもよ? ・・・・おぉっと?」

ハルナから刹那へと飛ぶ小鳥。
先日拾った子猫同様、刹那は随分と動物に懐かれる様だ。

「またせっちゃん、動物に懐かれて――」
「ギュルルゥ〜!」
「ひゃっ!?」

797 名前:拾い物シリーズ 小鳥編[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 22:25:28 ID:HMSXFkG5

刹那の肩にとまる小鳥に手を伸ばした木乃香。
しかしその手は小鳥の攻撃で引っ込んだ。
それに対して、また分析をする夕映。

「・・・・文鳥は、パートナーに近づく相手にすごく嫉妬するようです」
「ふっふーん? 刹那さん、その文鳥のパートナーに選ばれたんだね?」
「なっ・・・・」

ハルナはわざと意味深な言い方で言う。
その瞬間、木乃香の顔が明らかに不機嫌になった。

「ハ、ハルナ・・・・その言い方は・・・・」
「え〜、だって面白いじゃん?」
「く、黒いオーラが見えるです・・・・」

図書館組の向かい側では、睨み合う木乃香と小鳥。
そしてその二匹(一人と一羽)に怯える刹那がいた。

「と、とりあえず、保護するならカゴが必要です。用意してきますね」
「張り紙張るんだったら、私が描いてあげるよ〜」
「じゃあ私は、餌を買ってきますね――」

図書館組は逃げ出すように大急ぎで、それら必要な物を揃えた。
そして籠に餌と小鳥をいれ、なんとかその場は収拾したのである。

798 名前:拾い物シリーズ 小鳥編[sage] 投稿日:2007/05/13(日) 22:27:10 ID:HMSXFkG5

*

「チュンッチュン!」
「そんな鳴いても、出してあげへんよ?」
「お、お嬢様・・・・」

図書館組がそれぞれの部屋に戻り、部屋には刹那と木乃香・・・・そして小鳥が残った。
もちろん小鳥は、籠に入れられたままである。

「せっちゃんはウチのパートナーなんやからな!」
「ギュルル〜〜!」
「と、鳥と本気で喧嘩しないでください・・・・うぎゅっ!?」

隣に座っていた木乃香に、刹那は急に抱き締められた。
バタバタと逃げ出そうとする刹那だが、木乃香はしっかりと抱えて離さない。

「んぐ・・・・お、お嬢様〜!?」
「せっちゃんは、"ウチ"って鳥籠に閉じ込めたげるv」
「っ!?」
「ギュルルル〜〜!」


――それから小鳥が飼い主の元に戻るまでの間、刹那は普段よりも長い間木乃香に捕らえられていたらしい。
ライバルが多ければ多いほど、木乃香の愛は燃え上がるようである。


FIN

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