「せっちゃん、これ、バレンタインのお返しな」
「・・なんですか、これ?バナナみたいな形ですが、キャンディではないですよね?」
「ああこれな、上の口やなくて下の口で舐めるキャンデーなんよ〜」
「・・え?」
「こうするんよ・・ん・・ほら、せっちゃんもこっち側を咥えてな」
「こ、このちゃん?女同士で、そんな・・ひゃあ!」
「ダメや、このちゃん!!」
自分の大声に目が醒めた。
「え・・夢?」
私は・・
私はなんて夢を・・
自己嫌悪に涙が出てくる。
トゥルルルル
部屋の電話が鳴っている。一呼吸おいてから受話器を取った。
「はい、桜咲ですが」
「もしもし?せっちゃん?」
「お、お嬢様?! はい、そうです」
先ほどの夢・・
動揺が隠せず、思わず声が上ずってしまった。
「なあせっちゃん、上と下、どっちがええ?」
「え?」
上と、下・・
「それは、その、上で・・」
「上な?ほなほな、5分後に屋上に来てな〜」
