TOP
TOP   SS   イラスト
<< 前頁  3スレ目  次頁 >>
739 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/04/16(日) 23:58:58 ID:dZMQGoUf


カーテン越しに淡い月光がそそがれる部屋で、すうすうと寝息が聞こえる。
「せっちゃん・・・」
狭いベッドに二人並び、眠る少女たち。
いや、正確には熟睡しているものが一人、眠っていないものが一人だが。
「・・・よう、寝とるなぁ」
隣で眠る少女を起こさすよう、このかはそっと呟く。

このかが刹那の部屋に泊まりに来るのは、今回が初めてではなかった。
刹那と同室の龍宮は、実家が忙しくなり、向こうで泊まることが多くなると、
このかが、刹那の部屋に度々お邪魔するようになっていった。
はじめは、戸惑い、遠慮もしていた刹那であったが、このかに甘い刹那である。
昔のように一緒に眠りたい、というお嬢様たっての希望を受け入れないわけにもいかず、
今宵も枕を並べ、眠ることとなった。

740 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/04/17(月) 00:00:39 ID:dZMQGoUf
2

「・・・・・・」
そろりと刹那を起こさぬよう身動きし、彼女の顔をそっと見る。
安らかな寝息をたてる刹那は、とても凄腕の剣士には見えない、ごく普通の少女であった。
(可愛えなあ・・・)
心の中でそう呟く。
結んでいた髪は解かれ、彼女の頬にかかっている。
『お嬢様の髪はとても綺麗』 と以前言われたことがあったが、
こうして見ると なかなかどうして彼女のだって綺麗だ。
きっと、大人になったら美人になるんだろうな、と思いを馳せる。

「ん・・・」
ピクリと刹那が動いた。
気配を感じて、起きてしまったのかもしれない。
特に悪いことをしていたわけでもないのに、どうして鼓動が早まるのだろう。
しばらく息を潜めていると、再びすうすうと寝息が聞こえてきた。
ほっと胸をなでおろすと同時に、もう自分も寝なければ と考える。

741 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/04/17(月) 00:02:31 ID:dZMQGoUf
瞼を閉じ、静寂に身をまかせる。
闇の世界の訪れは―――――――
――まだ来ない。
目が冴えてしまったようだ。
はあ、とため息をつき、再び目を開ける。ちら、と彼女を横目にして。

(・・・ウチ、どないしたんやろ?)
刹那のことがやけに気になる。
なんだか今宵の自分はおかしいな、と不思議に思う。
原因は何だ、と考えようとしたが止めた。
これ以上、起きていては明日の朝に障る。
睡眠不足の自分を見れば、刹那に心配をかけてしまうし、
ひょっとしたら、もう一緒に寝てくれなくなるかもしれない。


目を閉じる。
本当にもう寝なければ。

隣で眠る体温が気になったが、二度と瞼を開けなかった。 おわり

<< 前頁  3スレ目  次頁 >>


ページトップ

管理人:虚武僧
web拍手
┣サイトへの意見・要望
┗リンクミスの報告など