|
<< 前頁
3スレ目
次頁 >>
|
|
953 名前:てのひら[sage] 投稿日:2006/05/21(日) 21:09:49 ID:9CY5bOwi
|
「手相を見てあげるえ」
ある日の授業後。 ネギ先生からの用事を済ませ、教室に残った私とお嬢様。
2人だけの教室でお嬢様はふと私の手をとった。
手相にはあまり興味のない私だけれども、お嬢様が見て下さるのなら話は別だ。
どのような結果が下されるのだろう?
私は緊張しつつ、お嬢様を伺うと、
「・・・・・・」
お嬢様は難しい顔で、何か考えているようだ。
私の手相はそんなに悪いものだろうか、と心配になる。
「せっちゃん、ごめんな・・・」
私が困惑しているとお嬢様はポツリと呟き、私の手の平をさすりだした。
どうやら、手相の話をしているのではないらしい。
「ウチのせいで・・・」
お嬢様は、私の手にできた硬いタコを見たのだろう。
神鳴流剣士として厳しく修行をおこなっている身は、年頃の少女相当にふさわしくない。
身体つきは筋肉でしぼられ、手の平のタコが消えることはない。服の下には、切り傷もある。
お嬢様はそれを知って、悲しくなったのだろう。
自分のせいで、私の身体が傷ついていると・・・。
|
|
954 名前:てのひら[sage] 投稿日:2006/05/21(日) 21:11:05 ID:9CY5bOwi
|
「お嬢様のせいではありません」
私は、悲しい目で沈んでいるお嬢様の手を握り、しっかりとした声でいった。
涙で潤んだ瞳が向けられる。
「私が自ら望んで行っていることです。お嬢様は何も悪くありません。それに・・・」
私はお嬢様の目を見つめていう。
剣士としての決意・信念。 これだけは他の何にも譲ることはできない。
「お嬢様をお守りすることは、私の誇りなのです」
すっと気持ちが引き締まる。
私は、今どのような顔をしているのだろうか?
きっと、善い表情をしていると思う。なぜなら、とても穏やかな気持ちになっているから。
「せっちゃん・・・」
お嬢様は一瞬驚いた表情をしたけれども、私の本心を知ってか困った風にクスリと笑った。
それを見て、ほっと安心する。
お嬢様が悲しむ顔など見たくない。
|
|
955 名前:てのひら[sage] 投稿日:2006/05/21(日) 21:11:43 ID:9CY5bOwi
|
「さっきは、ありぃがとう」
帰り道、お嬢様は嬉しそうに私に話しかける。
「お礼を言われるようなことでは・・・」
思うままを口にする。
そう、お礼を言われることではない。あれは私の本心なのだから。
「そないなことない。嬉しかったし、格好もよかったえ」
「そ、そうですか・・・」
照れたように言うお嬢様。顔が少し赤い。
そのようなことを言われると、だんだん私も恥ずかしくなってくる。
そしてお嬢様は、私にとどめとも思える発言をする。
「せっちゃんにしては、えらい積極的やったね。しっかり手まで握ってもうて・・・」
「!!」
ぼっと顔が赤くなる。
先程の行動。 お嬢様の心配を取り除くため、無意識におこなったことだが、
意識すると途端に恥ずかしくなった。
お嬢様の手を包んで、誓いを述べる私。
気持ちが伝わるよう、少しだけ力をこめて。
近距離で見つめ合う。
お嬢様の瞳に私が映る――
|
|
956 名前:てのひら[sage] 投稿日:2006/05/21(日) 21:12:48 ID:9CY5bOwi
|
「・・・だからね、一つお願いがあるんやけど・・・」
私が回想に浸っていると、現実の声が降りかかる。
「な、何でしょうか?」
声がうわずってしまう。 冷静を保とうとするが、うまくいかない。
人知れず、深呼吸。
落ち着かなければ。
私が落ち着きを取り戻したのと、
お嬢様のお願いは、ちょうど同じタイミングであった。
「・・・さっきの、もう一回してえな?」
「はい?」
間の抜けた私とは違って、お嬢様は はにかんでいる。
「うん。 だから、さっきウチに言うてくれた言葉。
せっちゃん、いつも恥ずかしがってばかりやし・・・。
たまには、せっちゃんからええ事、言われたいんよ。あ、もちろん手ぇは握ってな♪」
頬を染めつつも、嬉しそうなお嬢様。
私は卒倒しそうになる。
期待に、2つの目が輝いている。
|
|
957 名前:てのひら[sage] 投稿日:2006/05/21(日) 21:13:30 ID:9CY5bOwi
|
「む、無理です・・・///」
「ええ! 何で〜な〜・・・」
予想通り、むっとされてしまった。
お嬢様はさらに追い討ちをかける。
「も〜、さっきのホンマ嬉しかったんえ!“私の誇りです” って、真剣な目で・・・」
「お、お嬢様っ・・・」
「ウチからはいつもやけど、せっちゃんから、こないな近くに・・・」
「お嬢様―――!」
恥ずかしくて、気絶してしまいそう。
頭から、湯気が出てるんじゃないだろうか?
「な、せっちゃん、だから言うて? ホラ恥ずかしがらんと・・・」
「・・・・・・っ///」
それは、ある日の帰り道のこと。
|
|
<< 前頁
3スレ目
次頁 >>
|