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164 名前:さんかくしかく?[sage] 投稿日:2007/01/28(日) 10:45:43 ID:c+2zS2tp
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「ん…ぅむ…っは、ぁ」
巧みな口付けに図らずもあがってしまった息を整える。
ただこいつ――朝倉和美のキスが巧いだけだ、好きとかそういうのじゃないんだからなっ!
と心中で毒づく。
「もう、もういいだろ朝倉……ネガを返してくれ…」
やっと整えた息から言葉を吐き出す。
しかし彼女は余裕な笑みを崩さない。
やっと整えた息から言葉を吐き出す。
しかし彼女は△■な笑みを崩さない。
ちうこと長谷川千雨が朝倉に写真を撮られ、ちょっかいを出されるのはいつものことで
それを楽しみにしている自分が居ることには気付いていたかもしれない。
いや、気付いていた。
けれど今回の写真はわけが違った。
不意打ち、しかし確実にキス。
長くストレートで綺麗な髪、発せられる甘い香に千雨は逆らえなかった。
進入を許してしまった舌、徐々に溶かされていく意識、自我。
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171 名前:さんかくしかく?[sage] 投稿日:2007/01/28(日) 22:38:19 ID:c+2zS2tp
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長谷川千雨は憂鬱だった。
魔帆良祭の余韻を残しつつ帰ってくる日常。
更新する、と決めていたのに未だ更新分を終えられていない。
煮詰まった気分を入れ替えるために外を歩いているとエヴァンジェリンを先頭に桜咲刹那と木乃香が連れだって歩いていた。
そういえば桜咲がエヴァンジェリンに修行を頼んでいたな、と思い出す。
「そうか、別荘があったかw」
時間確保のために努めて明るく、愛想よく。
No.1を維持するために努力は惜しまないのが千雨の常だ。その努力がスクリプト攻撃だったりするのが難点だが……。
桜咲は強く頼めば断れない性格だということは知っていたので案外楽に別荘に行けることになった。
当然一般人の千雨は戦闘の訓練なんかには興味がなく
テーブルにノートパソコンを置き更新作業に精を出していた。
向側では近衛木乃香が読書に耽っている、ときをり千雨に話しかけ、笑いかける。
空のぬけるような青さ、カラっとした暑さ。
グラスの氷が気泡に撫でられカランと音をたてる。
どこかで見た一枚絵のような非現実さに千雨は思わず苦笑を漏らす。
「ちうちゃんどないしたんー?」
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172 名前:さんかくしかく?[sage] 投稿日:2007/01/28(日) 22:38:54 ID:c+2zS2tp
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顔をあげた木乃香が聞いてくる。
千雨は木乃香のやけに嬉しそうな表情を可愛いと思う、と同時になにか言い表せない自らへの不快感を胸に刻んだ。
「な、なんでもねぇ!」というと「ほかほか」と言いながら読書に戻る姿に一安心。
サイダーを口に含むとシュワシュワという刺激が心地良い。
穏かな時間。
建物の破砕音や少女の嘲笑がBGMというのは気に食わないが。
お互いのテリトリーを侵す事をしない会話は酷く心地良い。
そういう意味で千雨は木乃香との相性が良いようだ。
更新分を終えたデータを保存、『んー』と伸びをする。
今までにない行動に興味をもったのか木乃香がPCの画面を覗き込んでくる。
「おわっ、ちょ、おまwww」
千雨は最大限明るく振舞いながら木乃香からPCを剥ぎ取った。
ぶーと脹れながらじゃれついてくる。
流石にいつまでもそうしているわけにもいかず、木乃香を振り払おうとした。
その時。
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173 名前:さんかくしかく?[sage] 投稿日:2007/01/28(日) 22:39:26 ID:c+2zS2tp
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唇と唇がぶつかった。
時間が止まったような感覚、思考も止まりかけている。
そんなベタな……と考えながらも思わず顔に血が集っていく。
一方木乃香も顔を紅くしてぼーっとしたまま席に戻る。
気まずい、気まず過ぎる。
その空間に耐えられなくなる寸での処で修行を終えた桜咲達が戻ってきた。
エヴァンジェリンが木乃香に飲み物を頼む。
ぼーっとしている木乃香が再三の要求に我に返りぱたぱたと忙しくキッチンに消えていく。
それから千雨は気まずさから木乃香と話さないまま解散となった。
『何か』もやもやした気持ちを持て余しベットに横になる。
無意識にぶつかった唇に触れる。
「柔らかかったな……ぁー、あー……くそっ寝るっ!」
考える事が面倒になり目を瞑る。
その実『面倒』というよりそれ以上考えてはいけない気がしたから。
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