「せっちゃん、最近牛乳よく飲んどるね?」
「お、お嬢様、これは、その……」
ちらりと刹那が視線を向ける先には、真名や楓など、クラス内でも高身長の面子。
「その、身長がもう少し伸びるといいな、って。
い、いえ身長が伸びるとリーチも伸びるからでそのっ!」
頬を染めて呟いてから、刹那は慌てて自分の言葉をフォローする。その心の中には、
身長が伸びて颯爽とかっこ良くお嬢様を護る自分の姿が映っているに違いない。木乃香はくすりと微笑んだ。
「ええんよ、せっちゃんはこのままで。あんまりおおきゅうなったら、同じ高さで物が見れなくなってまう」
「お嬢様……」
「だから、身長なんて気にせんでええよ」
「はい!」
刹那は感激した様子で、先ほどから手に持っていた牛乳ビンを置いた。
そんな刹那の顔を微笑ましげに見守りつつ、木乃香はふと、ありがちな牛乳を飲む理由のもう一つを思い浮かべた。
考えてみれば、刹那は清々しいくらいまっ平ら。大草原の小さなryとはよく言ったもので。
クラス内でも明らかに体格からして小学生の3人とほとんど変わらないほどである。
もしかして、きにしてたんかな、と木乃香は思う。
それならば、きちんとフォローを入れておかないと。
「……それにな、そっちの方も気にせんでええんよ?」
言いながら、刹那の胸へと視線を向ける。
「へ?」
「ウチらまだまだ中学生やし、今からきっと成長するえ。だから今は無理におおきゅうしようなんておもわんでも……」
