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633 名前:2人ではんなり[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 22:19:36 ID:RWy12GmJ
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ぱらぱら。
ふむふむ。
「『このごろ。最近。当節。「―の人は物の有り難みを〜』…か」
桜咲刹那は護衛の任を第一に考えて行動しているため成績はあまりよろしくない。
少しでも成績を上げておこう、とその日の放課後が刻限の課題を図書館でこなしていた。
国語辞典を捲り、ノートに写す。
「あや?せっちゃんや!なにしとるん〜♪」
図書館探検部に所属している近衛木乃香――刹那が護衛を任されているお嬢様、が刹那を発見し声をかけてくる。
もっとも刹那が木乃香のそばにいるのは護衛だから、というだけではないが。
心情的に護衛が第一、最優先だが『それだけでない』部分のほうをこそ大切に思っている。
矛盾しているが刹那にとってはどちらもが大切で存在理由といっても過言ではないものだった。
「お嬢様!えぇ…とですね国語の……課題を」
提出の期限を延長してもらい、その上でまだ終了していないためなんとも歯切れの悪い返答になってしまう。
仕事は護衛だけではない、ということが最大の理由だがそれに甘えることを好しとしないのが桜咲刹那だ。
それを理解している木乃香は少しだけ寂しそうな笑みを形作る。
カタン、と渇いた音をたて椅子を引き刹那の隣に腰を下ろす。
どれどれと刹那のノートと辞書を見比べる。木乃香の方が成績が良い。
「『このせつ』か〜、せっちゃん♪ややなーv」
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634 名前:2人ではんなり[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 22:21:23 ID:RWy12GmJ
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ノートを見るや嬉々として声をあげた木乃香を不思議そうに見る刹那。
その単語にそんな反応を示す意味が解らない、とでもいった風だ。
一方木乃香は(・∀・)ニヤニヤしながら刹那を見ている。
たまらず刹那は『このせつ』の意味を木乃香に聞いてみる。
「言うなればこの×せつやなーv」
とどこかトリップした風に答える木乃香に刹那はますます不思議に思う。
辞書とにらめっこしてみるがどこにもこの×せつとは書いていなかった。
それを見て微笑む木乃香にいよいよ刹那も意味を知りたくなってくる。
「うぅ……お嬢様降参です。いったいこのせつにはどういった意味合いが?」
「それはな〜♪」
ちゅっ
「なっぁ……ぅえ?///」
頬に木乃香の唇が触れる。
頬を中心に広がる多幸感やら前後の繋がりがみえない行動に頭の中はパニックだ。
「こういうことや!」と妙に勝ち誇った様子の行動も言動も謎。
結局どういうことか解らずじまいだった刹那はコホンと咳払いをしながら、頬を赤くしながら課題に戻る。
それを見て木乃香はふぅ、と軽い溜息を吐く。
(せっちゃんはしゃーないなー)
もう一冊辞書を持ってきて刹那のノートと見比べる。
突然課題を手伝い始めた木乃香に刹那が慌てる。
「お、お嬢様!?ぁっいやお嬢様の御手を煩わせるわけにはいきません!」
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635 名前:2人ではんなり[sage] 投稿日:2007/02/23(金) 22:21:58 ID:RWy12GmJ
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刹那が言うがまるで聞こえないかのように作業を続ける木乃香。
刹那も諦め残りの課題に取り組む。
カチ、コチ、カチ。
放課後、橙色の絵の具が滲むように少しずつ、少しずつオレンジに染まっていく光景。
ときおりお喋りをしながら、ゆっくりとした理由が流れていく。
仕事が立て続けに入り刹那自身気づかないうち、無意識のうちに常に緊張していたらしい。
緊張が溶け、心に戻る。
出来る限り、精一杯の笑顔でお礼を言う。
「ありがとうございます、お嬢様。」
「うんうん、えーんよウチはせっちゃんが好きやからなーv」
「ぅ…ぃぇ、ぁ…///」
「でも、根つめすぎるんは気に入らんよ」
「……はい、」
「せっちゃんの隣にはウチがいるんやから、ゆっくりいったらえぇ。」
「ふふ……そうですね、そうかもしません。いえ、きっとそうです!」
急に元気がでてきた。
なんだか気恥ずかしい台詞を聞いた気がする刹那だったがやっと笑えた。
課題を提出し学校を後にする。
「なんやさっきはごめんなー、でもせっちゃんが根つめるん嫌やのは本当やえ」
「いえ…そうですね、2人でゆっくり行きますか!」
2人ではんなり
FIN
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