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92 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/03/21(水) 00:57:11 ID:TIaAY5ny
「ふう…」
残心を解き、刹那は夕凪を納めた。それを合図に、後方から援護していた龍宮も、軽いため息を発しつつ、スコープから目を離し、警戒を解く。
『仕事』に着手して3時間。日も変わろうかという頃、ようやく最後の1匹を仕留めた。

帰路。学園長の手配で用意された送迎車の中。
「刹那」
「……」
相棒の名を呼ぶも、返事がない。
「刹那?」
「…どうした?龍宮」
そう応えた相棒の声は、普段の声とも、いつもの仕事終わりの声とも違い、とても気だるげだった。
「今日のお前の動きは明らかに鈍かった。何があった?」
龍宮が単刀直入に尋ねる。
今日の相手は数こそ多いものの、二人の実力から見て苦戦する程のレベルではなかった。
龍宮の皮算用では、ここまでの支出(弾丸代)はなかったはずなので、若干不機嫌である。

93 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/03/21(水) 01:02:28 ID:TIaAY5ny
「…おい」
俯き、視線を合わせようとしない相棒。
そんな態度に不機嫌の度を深めた龍宮は、相棒の顎に手を伸ばし、無理矢理こちらを向かせる。
「は、離せっ」
持ち前の反射神経で、一瞬にして龍宮の手を払い、また俯く刹那。
しかし、龍宮はその一瞬で大体の事を悟った。
そして、不機嫌を通り過ぎ、黒いオーラを発散し始めた。
車内に差し込む微かな街灯の明かりで、うっすらと照らされた相棒は、
その頼りない光源ですらはっきりと分かるほど、赤面していたのである。

94 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/03/21(水) 01:06:33 ID:TIaAY5ny
龍宮による『過剰な』スキンシップは日常茶飯事で、あの程度の事では頬を若干赤らめる位のはずなのだ。
即ち、赤面の理由は龍宮の行動にあるのではなく、先の言動にあると推測される。
戦闘に支障をきたす程の『何か』。
その『何か』を想像し、又は思い出し、そして赤面した。そんなところだろう。
…今日の日付は3/19(日を跨いだ為正確には3/20だが)。その前日は3/18。
あの腹黒御嬢様の誕生日である。『何が』あったのかは想像に難くない。

……ふん、まぁいいさ。
龍宮は、法定速度厳守・安全運転が身上のドライバーをして、即免停ものの速度超過をしてしまうほどの、
ドス黒いオーラを発散しつつ、帰寮してからの計画を立てていた。

その日のことを、忘れさせてあげるよ、刹那。

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