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661 名前:名無しさん@秘密の花園[] 投稿日:2007/07/09(月) 23:59:03 ID:gn2IEHKa
木乃香は小さく丸まって、その様子は本当にあの頃と変わらない…
可愛らしい小さな女の子だった。

刹那はふっと微笑んだ。

「このちゃん」
「ん…」

よかった、反応してくれた。
小さな女の子に話し掛けるように、言葉を紡ぐ刹那。

「手、貸して…」
「なんで…」
「いいから…」

思いが通じたのか、目を閉じたまま幼くなってしまったその少女がこちらを向いてくれた。
木乃香の手を取り、そっとこの手で包み込んだ。

「………」
「ふふ…」

その顔はまだムスッとしていたけど、ささやかな朱が月明かりに照らされていて、
とても綺麗に彩られていた。

笑みをひとひら咲かせながら、彼女の小さな手のひらを撫でた。

「…っへへ」

すると彼女は無邪気に笑って…

662 名前:名無しさん@秘密の花園[] 投稿日:2007/07/10(火) 00:00:13 ID:zC7rTMkQ
「せっちゃん…こそばゆぃ……」
「機嫌直りました?」
「ん〜なんのこと?」
「…ふふ」

本当に今日の彼女は可笑しい。
赤ちゃん返りでもしたのだろうかと刹那は思った。
でも、たまにはそんなお嬢様も可愛いな…なんて。

「手だったら、ずっと握ってますから…」
「ん…お腹は?」
「んな!?だ、ダメに決まってるじゃないですか」
「えぇ〜どうしてもアカン?」
「どうしてもアカン」
「…どうしてもどうしても?」
「………」

お腹を触って何かいいことがあるのだろうか。
ますます木乃香がわからなくなってきた刹那。

「おおきに、せっちゃん」

考えている間に彼女は肯定の返事と解釈して、最初と同じように刹那に抱き付いた。

「こ、このちゃん!?」
「むにゃ…やっぱ、きもち…えぇ……」
「どうしてそんなに…って寝てるし」

663 名前:名無しさん@秘密の花園[] 投稿日:2007/07/10(火) 00:00:57 ID:zC7rTMkQ
顔のすぐ横でスヤスヤと眠る木乃香。
刹那の腹部に手を置いたまま、すぅすぅと寝息を立てて…

「このちゃん?」

それでも本当に寝たのか確かめてみる。

「お〜い…」

ツンツン、と彼女の柔らかい頬をつつく。

「………」

結果、無反応。
本当に寝たんだと思ったと同時に、ちょっと寂しさを感じた。

「…そっか」

彼女も寂しかったんだ、と気付いたのは木乃香が夢を見始めた頃。
刹那はまた、木乃香の手をくすぐる。すると…

「…ふみゃ」

と、あどけない無垢な笑顔を見せた。
その顔をしばし見つめて。

「おやすみ、このちゃん…」

左手は彼女の手を、右手は彼女の前髪を静かに撫でて…
刹那は夢の中の彼女へと会いに行った。

FIN

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