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792 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/05(土) 03:30:38 ID:gN4A0OyR

笑われたっていい。
あなたに拒否されたって構わない。

「お嬢様、ごめんなさい」

もう一度言った。

「…なにが?」

それっきり押し黙る私。
彼女の顔を困ったような顔して覗いた。
目を閉じて、柔らかく微笑んだそれ。

「うそ。わかっとるよ…」

あなたが不器用なことぐらい、知ってる。
それでも、少しずつ変わっていくあなたが嬉しい。
せっちゃんは、自分の気持ちに臆病になってるだけ。

「ウチ…せっちゃんと、買い物行きたかっただけ…」
「でもっ…」
「そのあとやから…具合悪なったん…」

あなたは嘘をついている。
いつもより赤かったあなたの頬。
違うことに気付いて、あなたの身体のことに気付かないなんて。


793 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/05(土) 03:31:40 ID:gN4A0OyR

「せっちゃん」
「…はい」
「ウチが今してほしいこと、わかる?」
「え…」

少し見開かれた緋色の目は、ちょっぴり潤んでいた。
それでも、綺麗で一切の曇りもなく澄んで。

「せっ、ちゃん…」
「…、…」

私は、恐る恐る手を伸ばした。
あのときのあなたの気持ちが、
まだあなたのオレンジに残っているならば…

布団の中にそっと手を入れて、あなたの
小さな手のひらに重ね合わせた。
小さなそれはとても熱くて火傷しそうなくらい火照っていた。

「気持ちええ…」

あなたがつぶやく。
今のあなたにとって、私の子どもみたいな手は冷たいのだろう。


794 794名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2008/01/05(土) 03:32:59 ID:gN4A0OyR
「あ…」

「どうしました?」
「風邪、うつってまうかも…」
「え…」
「手、放して…」

そう言われたままに、放してしまう…これがいつもの私。
間違えてしまうのが怖かった。
傷付けてしまうのが怖かった。
でも…

「じゃあ、こうしましょう」

あなたの薬指と小指を、キュッと握った。

「せっちゃん…」
「安心して眠ってください…このちゃん…」


ずっと、握ってますから。
あと、たぶん風邪はうつりませんよ。
だって、私は…

お嬢様馬鹿なのだから。

FIN

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