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788 名前:其れはきっと幸せな事 ◆K1z/mB9tDA [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 19:23:35 ID:KwzWX5rI
「え?」  「――……あえ?」
目が合って、二人とも、同じタイミングで固まった。え?もう一度、心情を洩らす。

「木乃、香お嬢様?」
「せっ、ちゃん?」

有り得ない、いや、有り得ない。無い。むしろあっちゃ、いけない。
私は弱く境界線をノックして、無反応の扉に苦笑して見せて、自室に戻る筈。そうじゃなきゃ、そうじゃなきゃ。こんな、こんな 

――――幸福な事は――――

「どうしたん?」
「お、お嬢様こそ!」
まずい。言ってグッ、と先刻の自分の発言を後悔した。この切り返しは凄くまずい。何故なら、相手は――この人は
「せっちゃんに逢いたいなぁ、思うて」
私の考える事、私の思う事。どうすれば私が笑うのかとか、どうすれば私が傷つくのかとか。


私の言って欲しい事が何なのかとか。


それらを全て、重々承知と言うように解っているのだから。だから、こういう相手にこういうチャンスを与えちゃ駄目だったのに。嗚呼、もう。心の中で呟いて、降参、と、白旗を振る。

789 名前:其れはきっと幸せな事 ◆K1z/mB9tDA [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 19:25:09 ID:KwzWX5rI
「私も、ですよ」

木乃香お嬢様に逢いたくて。

一言一言、はっきりと、言葉のなかにある言霊を木乃香お嬢様に伝えるように。
言われた相手といえば、首元がだらけたパジャマ姿のまま、ポカー。なんて、間抜けな擬音語が似合った感じに口をあけて
「今日はえらい素直やなぁ……」感心するように、驚愕するように。
「きっと、――朝の匂いのせいですよ」
光の粒の匂いは、人を詩人にするから。

「ほえ?」
ドアにもたれ掛る木乃香お嬢様は、何がなんだかさっぱりや〜。 なんて笑って。そうですね。なんて、私もつられて笑って。笑いを急に引っ込めて、気付いたように、あ。と、木乃香お嬢様が呟いて、私に手招きをした。
「せっちゃん、折角やねんから朝ご飯食べに来うへん?」
「へ?」
自分で言ってて何だが、至極間抜けな声。本日2度目のイレギュラー。
「ええやんか、折角やねんから、な?」
口元に人差し指を当てて、木乃香お嬢様は綺麗に笑う。
「……はい!」
つられて笑って、ああ、 早起きは、三文の得。なんて。

790 名前:其れはきっと幸せな事 ◆K1z/mB9tDA [sage] 投稿日:2005/11/20(日) 19:25:38 ID:KwzWX5rI


夜中、急に何かが欲しくなったことはないだろうか。

例えば、炭酸飲料やポテトチップス。例えば、白い飯やほかほかの肉まん。
そんな時ほど、それに対して普段以上の執着心が生まれたり、どうしようもなく其れが欲しくなったことはないだろうか。
コンビニに走れば容易に手に入るものならいいのだけれど 

――――――私の場合は

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