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246 名前:AM ◆NefofEqi5k [sage] 投稿日:2006/08/12(土) 06:49:25 ID:QZFNPZLu
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誰も居ない、光のない教室。
真っ暗なこの学校は、誰にも気付かれぬようにここにある。
私は窓の外からお嬢様を見る。見ていないのに、窓越しに手を振る。
そのまま窓に手を触れ、つたいながらおろす。
「囚われてたのは私だったんですね。」
部屋に戻っては見たがなかなか寝れず、夜明けが来てしまった。
カーテンを開けるとまぶしい太陽とともに小鳥たちが仲良く飛んでるのが見えた。
「貴方のいない夜明けなんて来なくていいのに…」
こんな事言っても夜明けは如何しても来るわけで、何にもならない。
私は何もする気になれなく、ただボーっとしていた。
此の儘ではいけないと顔を叩いて、服を着替える。
そして気が付くと私は部屋を出て、貴方が来るはずのないいつもの待ち合わせ場所へと歩いていた。
休みの日の所為か、クラスメイトによく会う。
そして私はいつものように微笑んで、先へと進む。
――今は誰とも会いたくないのになぁ……。それでも、外へでてしまうのは
そこまで考えて軽く笑った。
私はまた、貴方のことを考えている。
小さい頃から、そうなのかもしれない。
何かを食べる時も、お風呂に入る時も、戦っている時も、空を見ている時も。
やっぱり何をしていても貴方のことを考えてしまっているんだな。
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247 名前:AM ◆NefofEqi5k [sage] 投稿日:2006/08/12(土) 06:50:26 ID:QZFNPZLu
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何てことを考えながら歩いているといつのまにかいつもの待ち合わせ場所に付いていたらしい。
まぁ待ち合わせ場所といっても、ただの屋上なのだが。
勇気を振り絞ってこの分厚いドアのドアノブを捻る。
ゆっくりドアを開けてみると、立ち入り禁止なのにもう先客が居るらしい。
よく見るとその先客は私が今一番会いたくない、お嬢様だった。
昨日あんな別れ方をしたのにお嬢様がここに来るなんて、私には想像も出来なかった。
私は教室の窓から悲しそうに外を眺めているお嬢様を見て、心が少し痛んだ。
――鈍感なお嬢様でも、さすがに気付かれてしまったか。
お嬢様に気付かれないようにそっと後ろから抱きしめる。
そっと耳元で囁いた。
「別れましょう。」
「な…んで……?」
「綺麗な貴方を私が汚してしまうから。」
軽く微笑んでお嬢様から離れる。これで最後と名残しかったが。
「そして、私の中が滅茶苦茶になるから」
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248 名前:AM ◆NefofEqi5k [sage] 投稿日:2006/08/12(土) 06:51:27 ID:QZFNPZLu
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私がなぜ別れたいのかを、貴方は知っているくせに。
「駄目なんですよ。貴方がいると。
私の信念が、心の奥にある一本の棒が折れてしまうんですよ。
貴方を壊したくなってしまうんですよ。」
「だから私の為にも、お嬢様の為にも。 別れませんか?」
さっきまで、下に向けていた貴方の顔を見て、私は驚いた。
だって、泣きながら笑ってるとは思わなかったから。
「好きなんて言わんかったらよかったなぁ。」
強がっている貴方を、私にはすぐにでも抱きしめてあげたかった。
ぽろぽろと落ちる涙にも構わず、お嬢様は喋り続ける。
「そしたら、何もこんな事にはならんかったのになぁ。
2人で居る時間がこんなにも幸せって知らんですんだもんなぁ。
そしたら、それを失う事がすっごい恐怖なんて考えんでもよかったのになぁ。
うちはいややで、そんな理由。
だって失いたくないんよ。2人の幸せな時間を。
失いたく、ないんよぉ……。」
パチンッ
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