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773 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 00:47:13 ID:m/hfj9IP
ウチはせっちゃんに溺れてるんや
溺愛…とでも言うんやろうか…?

ウチとせっちゃん

せっちゃん。
せっちゃん、せっちゃん。
此処は暗いよ、感覚もない。
けどな、せっちゃん。
ウチせっちゃんが居てくれるなら。

「――――――――――」

居てくれるなら―――

酷く幸せな夢だったのかもしれない。
世界が、真っ暗で、何も見えないのに。
せっちゃんは其処にいるという確信があって。

多分其れは、二人だけの世界、そのものだった。
それに…意味深なことを、せっちゃんが言っていた気がする。

774 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 00:47:56 ID:m/hfj9IP
モヤモヤとしたまま、朝を迎える。
ジリジリと五月蝿い目覚まし、多分アスナの…。
「…ん、ぅ…ってこらこのエロネギィィィィ!!!」
何時ものとおり。ネギ君は怒られている。
また潜り込みでもしたかやろうな…。
「…おはよう…」
「あれ、随分テンション低いじゃない」
…何時ものウチらしくない。
何時もなら、ひとつ笑い飛ばしてでも朝食を作りに向かうはずなのに。
「風邪でも引きました?」
そんなことはない。けど何か重い、そんな感じがして。
―――自分の部屋のはずなのに居た堪れない。
「うーん、そうかもしれん…」
―――嘘をついた。
「けど、一日で治るようなんやし、へーきへーき」
無理やりな笑顔、多分物分りがいい二人なら…。
そんな淡い期待を思いながら…。
「…そう、じゃあこのかはお休み、ついでに刹那さんも」
…気づいてくれた。

775 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 00:49:04 ID:m/hfj9IP
「うぇ、刹那さんも…ですか?」
「いいから、ってヤバ、こんな時間じゃない!!」
困るネギ君と上で叫ぶアスナの声は、何か遠くに感じた。
暫く、寝ていよう…。さっきの夢、もう一度見れるといいな、と期待しながら。

―――――せっちゃん。
呼ぶと、困った顔をする。
何でやろ?と思いながらも、でもひたすらに呼ぶ。
近くへとやってくるまで。
「どうしました?」
―――――なぁ、此処にいて。
「其れは無理ですよ」
すんなりと否定される。
何で、と頭に廻るだけで答えはおろか、何で、と唱える事しか出来ない。
―――――何で?!何でなんせっちゃん!?
ほら、また困った顔。
最近、この顔しか見ていない気がする。
「お嬢様の言葉には、従います、ですが―――」
条件でも、なんでも平気やと、思っていた

776 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 00:49:44 ID:m/hfj9IP
「ずっと一緒に居ることにも限界があるということです」
条件でもましてやお礼の言葉でもない。
完全な「限界」を意味する言葉。
否定したかった。別れの手前を。一時の離れさえも。
其れすら「嫌」と感じていた。
此れを溺れてると言わずして、何といえる?―――


ふと、目が覚めた。
枕は、涙で濡れていた。
今は何時やろう、と近くの時計を見る。
昼や、昼休みの時間…ウチは相当長い間、眠っていたようや。
横には、せっちゃんがいた。
ウチの手をとって、それに縋るように、眠っていた。
―――アスナやろうな、こうさせたんは…。
何故か酷く寒い感覚がした。
―――せっちゃんは、ウチを置いて行かんよな…?
それは自分にとっての希望で、願望で。
…絶対に否定されたくない、だから命令でもあった。

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