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777 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 00:50:43 ID:m/hfj9IP
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普段は優しくて、其れを皆にも分けて、そしてウチを護ってくれる。
けど、其れを全部ウチのもんにしたくて…
「んぅ……」
もぞ、とせっちゃんが動く。
手を握る手が、無意識のくせに強なって、少し幸せな気がする、けど…
―――せっちゃんが、泣いとる…?
その頬には少し光る筋。
―――堪忍な、せっちゃん
ネギ君に貰った簡易杖で…
「プラ・クテ・ビギナル…」
せっちゃんに、通じるか解らんけれど…それに頼るしか、なかった。
―――――白い。
真っ白な、世界だった。
せっちゃんが見えた…と思ったら…
「誰だ…誰だ…誰だ…っ!?」
赤、強烈なほどの、血。
其れを滴らせてる……ウチ…?
「お嬢様を…このちゃんを…やったのは誰だ!!」
せっちゃんに見えているのは、ぐったりしているウチだけで…。
…でも何故かその姿がとても愛おしく思える。
だってずっと見てくれているのだから。
―――――其処で、途切れた。
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778 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 00:52:50 ID:m/hfj9IP
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…ウチにとっては、幸せな、夢だった。だけど…。
「…ぁ…お嬢様…目を覚まされていたのですね」
せっちゃんにとっては、最悪の夢。
「…うん…おはよう、せっちゃん」
出来うる限りの笑顔を作るも、せっちゃんは…
「私の夢、見たんですね」
それは、冷たい言葉。
「…ごめん…な、出来心にしても、ちょっと酷いゆーんは…」
「いいですよ、別に」
次の言葉を言わせないかのように、少し押される言葉。
せっちゃんの顔が、曇った気がした。
話題もなく、只じっと黙るしかなかった。
でも確認したいことがあった。
「せっちゃん…ウチのこと、“愛してくれる?”」
「………お嬢様が、望むなら」
―――ウソつき。
もう愛してるくせに、と、言いたくなる。
「お嬢様が望むなら…私は―――」
「アホせっちゃん」
今度はこっちが切る。
「…お嬢様…」
悲しげな声に精神が掻き回されている様で
「ちゃんとウチのこと見て、触って、感じて…呼んで?」
全部、して欲しい事。
「おじょ…」
「ちゃうやろ」
正させる、命令ともいえる、言葉で。
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779 名前: ◆GvbCrZA3mg [sage] 投稿日:2008/04/22(火) 00:53:38 ID:m/hfj9IP
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「……このちゃん」
やっと、呼んでくれた。
夢の中では叫ぶほどに言っていた。ウチの名前。
せっちゃんの服を掴んで引き寄せ、すかさず、唇を奪う。
「……っ」
―――知ってる?せっちゃん。
もうウチは止まらんよ、せっちゃんの為なら。―――
その想いを込めながら、唇を離す。
「このちゃん…私は…」
「ウチな、せっちゃんのこと好きで、愛しとる
…それだけじゃ足らん…?」
ぶんぶん、と音が鳴るぐらい横に首を振る仕草。
消えたりしたら、容赦せん。
多分、其れくらい、ウチはせっちゃんに溺れてるし、好きだし…。
其れを表にしちゃいけんと知ってても、ダメで。
まだ、迷惑かけてまうな…。
なぁ、せっちゃん…。
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