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459 名前:キーワード「せっちゃん風邪」[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:20:25 ID:8yTCsL/A
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私、桜咲刹那は今、保健室のベッドで寝ている。
・・・・恥ずかしながら風邪をひいてしまってダウンしているのだ。
今日は学生たちが開放される日。
そんな日だというのに、私は風邪という病魔に囚われてしまっていた。
「せっちゃん、テスト最終日にダウンやなんて・・・・」
「申し訳ございません・・・・でも、テストを受けないわけにはいかなかったので・・・・」
身体の異常は前日から感じていた。
退魔の仕事に加え、テスト勉強という徹夜作業を行ったせいで身体が弱ってしまったようだ。
かといってテストを受けないわけにもいかず、無理をしてテストを受けた。
それが原因となり、最後のテストが終わった頃には完全にこじらせてしまっていた。
隣の釘宮さんが私の異常を感じ取り、それからすぐに保健室に運び込まれ・・・・そして現在に至る。
「テストに拒絶反応起こして身体壊すやなんて、せっちゃんホンマ勉強苦手なんやね〜」
「ち、違います! 少し疲れが・・・・ガホッ!ゴホッ!!」
必死で否定しようとしたため、変な咳が出る。
テストに拒絶反応だなんてありえない・・・・と言いたいが、咳でしゃべれない。
「ほら、そないに興奮するから・・・・安静にしてなあかんえ?」
「ケホッ・・・・はい」
あなたのボケに突っ込みを入れただけです――だなんて言えるはずもない。
大人しく従うことにする。
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460 名前:キーワード「せっちゃん風邪」[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:21:21 ID:8yTCsL/A
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「せっちゃん、今どないな感じ?」
「喉の痛みと頭痛、悪寒と関節の痛みですね・・・・あと少しボーっとします・・・・」
「・・・・ずいぶんとこじらせてもうたなぁ」
お嬢様の手が私の額に下りてくる・・・・。
避ける気力もないし、拒絶する理由もないので大人しく迎え入れる。
「熱はないみたいやね・・・・」
そのまま優しく撫でられて、私はなんとも言えない心地よさを感じていた。
「なんやせっちゃん、おとなしいなぁ? いつもやったら逃げるのに」
「・・・・風邪のせいでしょうか・・・・」
私は風邪のせいにした。
本当はいつだってお嬢様を受け入れたい。
でも、なんだか照れくさくて。
いつも照れてしまって満足な反応ができない。
そんな自分がもどかしかった。
「気持ち良さそうやね・・・・少し寝る?」
「・・・・はい・・・・少し・・・・休ませて頂きます・・・・」
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461 名前:キーワード「せっちゃん風邪」[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:22:29 ID:8yTCsL/A
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それからたいした時間も経たずに聞こえてきた寝息。
ウチは撫でる手を止めて、ずれた布団をかけ直した。
「・・・・ほんまに疲れてたんやね。疲労まではウチの力でとれへんし・・・・」
目の前で静かに寝ているのは、常に努力を絶やさない剣士。
何に対しても本気で、苦手なものでも出来る限り達成しようとする。
それが今回のせっちゃんの失敗。
せっちゃんもわかっている事。
でもそれは全部が間違ったことやないから、やめてだなんて言えない。
「ウチ、心配なんやよ・・・・。こないな事繰り返して、ウチの知らない所で何かあったらと思うと・・・・」
誰に聞かせるのでもない独り言やけど、誰も聞いてないと思うたら自然と口が動いておった。
せっちゃんが普通ではないお仕事をやってると知ってから、怪我をして帰ってくるたびに不安は膨らんでいった。
その不安はどうやっても振り払うことが出来ない。
どんなに傷を癒しても、どんなに抱きしめても。
「もう大丈夫ですよ」とせっちゃんが笑うたびに、その笑顔が無くなってしもうたらと考えてまう・・・・。
「せっちゃんが風邪ひいてな、なんやウチほっとしたんや。だって、ベッドの中におったら傷付かへんやろ・・・・」
せっちゃんが起きてないか、もう一度確認する。
変わらず無防備に見えるその寝顔。
「こうしてたら普通の女の子やのにね?」
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462 名前:キーワード「せっちゃん風邪」[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:23:04 ID:8yTCsL/A
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もう一度頭を撫でる。
不器用で照れ屋で、とても優しい女子中学生。
そんな女の子が、剣を持って傷付いて・・・・。
「・・・・荷物、持ってくるな?」
ウチはベッドを離れた。
教室に置いてきたせっちゃんの荷物を取ってくるために。
――お嬢様の気配が遠くなる。
私は静かに目を開けた。
本当は寝てなかった。
仕事上の癖で普段から眠りが浅いので、お嬢様が言葉を漏らした時に意識が覚醒してしまったのだ。
寂しそうなお嬢様の声を聞いていたら、なかなか起きていると言い難くて・・・・結局寝た振りをする事となってしまった。
(心配かけてしまってすみません・・・・お嬢様・・・・)
ここにいないお嬢様に向けて、謝罪の言葉を浮かべる。
お嬢様が戻ってきたら少し話でもしようかと思ったが、どうやら病にかかったこの身体は休息を求めているようだ。
ゆっくりと目を閉じて、私は眠りの世界に落ちた――。
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