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463 名前:キーワード「せっちゃん風邪」[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:23:58 ID:8yTCsL/A
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次の日、木乃香は刹那の部屋を訪れていた。
もちろん見舞いと看病のためである。
「せっちゃん、ちゃんと薬飲んだ〜?」
「はい、大丈夫です」
今日から試験休み、数日間の休日である。
テストから開放された生徒たちは、この連休に十分と休む。
大抵は遊び回るのだが。
「お嬢様も、皆さんと一緒に遊びに行かれてもよかったのに・・・・」
「せっちゃんだけおいて行けるはずないえ」
刹那の体調は随分と良くなった。
しかしまだ満足に動けないので、クラスメイトの誘いを断ったのだ。
木乃香も誘われていたが、刹那の看病をするといって同じく断った。
「申し訳ございません、私のせいで・・・・」
「謝らんといて? ウチが勝手にしとる事やし――せっちゃんと居たいだけやから」
木乃香は頬を紅くしていった。
それを聞いた刹那も一気に紅くなる。
「あ、え、えと」
「――ウチ、食器片付けてくるな!」
木乃香は逃げるように台所に向かった。
刹那はドキドキと高鳴る胸を押さえる。
(私ももう少し気の利いた言葉を返せればいいのに・・・・)
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464 名前:キーワード「せっちゃん風邪」[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:24:35 ID:8yTCsL/A
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そう思うも、後の祭り。
はぁっとため息をついて何気なく部屋を見回すと、机の上の書類に目が行った。
刹那はベッドから起き上がり、手にとる。
仕事の書類。この連休に片付ける予定だった仕事である。
しかし体調を壊してしまったために、長瀬楓が臨時で引き受けてくれる事となった。
(楓には悪い事をしたな・・・・今度プリンでも奢ってやらないと・・・・)
再びため息をつき、書類を机の上に戻す。
そしてこの仕事を引き受けてくれたときの長瀬の言葉を思い出す。
『風邪の所為にして、たまには木乃香殿に甘えてみてはいかがでござろう?』
・・・・周りにバレバレなのだろうか。
同じようなことを前に龍宮が言ってたような気がする。
「せっちゃん、ちゃんと休んどらんとダメやよ?」
「あ、す、すみません」
木乃香が戻ってきた。
刹那が慌ててベッドに戻って布団に入ると、木乃香が机の上の書類に目を向けた。
「・・・・せっちゃん、仕事したかったん?」
「いえ、こんな状態で仕事に出ても失敗を招くだけなので・・・・」
良い骨休めです、と微笑む。
事実、休息は必要だったのだから。
しかし木乃香はその笑顔を見て、少し複雑な笑顔を返した。
その顔を見て刹那は、昨日の木乃香の独り言を思い出す。
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465 名前:キーワード「せっちゃん風邪」[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:25:14 ID:8yTCsL/A
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「・・・・お嬢様、少しベッドに座っていただけますか?」
遠慮しがちに木乃香を呼ぶ。
何?という表情で、木乃香は刹那の隣に座った。
「どないしたん?」
「い、いえ、その・・・・大した用はないんですが・・・・」
気付かれないように、木乃香側にある手で木乃香に触れた。
あくまでさりげなく・・・・軽く服に触れる程度に。
これが今の刹那に出来る、最大限の甘えだった。
ただそれだけのことなのに、刹那は顔が熱くなるのを感じる。
「・・・・////」
木乃香を見ることが出来ない刹那。
たださりげなく、少し触れているだけで幸せを感じていた。
――が、その行動は全てバレバレで。
「・・・・せっちゃん、甘えんぼさんやね」
触れていた手をとられた。
一気に脈が上がって、上手くしゃべることが出来なくなる。
「あ、あぅ・・・・」
「これも風邪のせい? なんや熱でも出てきたんとちゃう・・・・?」
手を握ったまま木乃香が、顔を近づけてくる。
手を握られている為、刹那は逃げる事敵わず。
そのままおでこ同士がくっついた。
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466 名前:キーワード「せっちゃん風邪」[sage] 投稿日:2007/02/12(月) 01:25:47 ID:8yTCsL/A
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「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
刹那、オーバーヒート。
「せっちゃん、真っ赤になりすぎや〜。ウチも恥ずかしゅうなるわ////」
「お、お嬢様ぁ・・・・////」
そんな刹那を見て、木乃香は頬を紅くしてクスクスと笑い出す。
刹那は、その笑顔がとても愛しく感じた。
照れ隠しも手伝って、刹那は木乃香をやや強引に引き寄せる。
そしてそのまま自然に抱きついていた。
木乃香が刹那を覆い被さるような構図となる。
「せ、せっちゃん?」
驚く木乃香を軽く無視して、木乃香の肩に顔をうずめる。
先ほどの照れが嘘のように消えていた。
「・・・・この場所は、落ち着きます・・・・」
「もう、ホンマに今日のせっちゃんは甘えんぼさんやわぁ////」
(木乃香お嬢様、私はこれからも心配をかけてしまうでしょう・・・・。
ですが、いつも必ずあなたの元へ戻ってきます。
ですから、いつまでもその笑顔を絶やさないでください。
その笑顔が、私の力の源なのですから――)
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