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582 名前:キーワード『刹那日記死守』『プロレスごっこ』『せつこの』[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:00:23 ID:2LRdtTgr
バツが悪そうに、はにかむ木乃香。
それはそうである。
今日の日記には、木乃香の事がしっかりと記されているのだから。
いや、実際には今日だけではない。
ほぼ毎日記されている。
今日より前を読んでいないのは不幸中の幸いという所。

「せっちゃん・・・・見てもうて堪忍な」
「い、いえ・・・・」

火傷した刹那を癒しながら、許しを請う木乃香。
恥ずかしさからか、二人の目線が交わることはなかった。

「あの、気にしないでください・・・・片付けていなかった私が悪いので」
「ううん、人の物勝手に物色したうちが悪いん・・・・」

お互いに罪悪感を感じて、沈黙を生む。
先に沈黙を破ったのは木乃香だった。

「・・・・でもなんや、ウチの事書いてくれてて嬉しかったな・・・・」
「え、えーとぉ・・・・それは・・・・」
「『護衛』やからだろうけど、それでも・・・・な?」
「・・・・っ」

本当に木乃香は優しい、刹那はそう思った。
日記を見られるという痴態・・・・それも見た本人の事が書いてある部分を読まれた刹那に対して、木乃香は逃げ道を作ってくれたのだ。
『仕事だから記してある』という逃げ道を。

再び訪れる沈黙。

583 名前:キーワード『刹那日記死守』『プロレスごっこ』『せつこの』[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:01:12 ID:2LRdtTgr
「・・・・違い・・・・ますよ・・・・」
「え?」

次に口を開いたのは刹那。
そして木乃香としっかり向き合う。
居間に入ってから初めて目線が交わった。

「任務だからなんかじゃないです」
「え・・・・」
「好き・・・・だから・・・・だから、見てしまうんですよ・・・・」
「せ、せっちゃ!?」

刹那は恥ずかしさに耐え切れず、木乃香を抱きしめていた。

「せ、せっちゃん・・・・それって・・・・」
「・・・・////」

(あ、黙ってもうた。でも赤いのバレバレ・・・・)

度胸があるのか、それともただの照れ屋なのか。
顔を紅くしつつ主君を抱き締める従者。
そんな従者を主君は、赤子をあやす様に頭を撫でつつ受け入れた。
従者の大胆なこの行動を、主君はしっかりと受け取ったようだ。

「なぁ、せっちゃん・・・・言わなくてもわかっとったのに・・・・」
「・・・・いつまでも逃げてるなんて、お嬢様に悪いです」

あやされてるのが不満だったのか、少し拗ねた様に返事を返す。
その様子とこの大胆な行動とのギャップが大きく、木乃香は笑ってしまった。

「おじょうさま!? なんで笑うんですか・・・・」
「だって・・・・せっちゃん可愛すぎやわっ・・・・」

584 名前:キーワード『刹那日記死守』『プロレスごっこ』『せつこの』[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:01:54 ID:2LRdtTgr
身体が離れたときには、先ほどの気まずい空気が晴れてた。

「なぁせっちゃん? 一つだけお願いしてええ?」
「はい、お嬢様が望むのでしたら・・・・」
「じゃあ、これの続き読んでええ?」
「え!?」

木乃香の手にあるのは刹那の日記。
いつの間に木乃香の手に戻ったのか。

「だだだ、ダメです!!」
「なんで〜? お願い聞いてくれる言うたやん〜!」
「それとこれとは話が別ですー!」

キャーキャーと部屋から声が漏れる。
またもやこの二人はドアが開きっぱなしというのを忘れていた様で、この騒ぎは外に丸聞こえだった。

「木乃香、ここにいるの〜? そろそろ消灯時間よ・・・・ってあんたら何してるの」
「あ、アスナー」
「明日菜さん!?」

ドアが開きっぱなしだったので、明日菜は勝手に部屋に踏み込んでいた。
ちょうどその時は、刹那が木乃香から日記を取り返そうとしてたシーンだった。
しかし明日菜の目には・・・・

「刹那さん、なんで木乃香のこと押し倒してるのよ・・・・////」
『え?』

585 名前:キーワード『刹那日記死守』『プロレスごっこ』『せつこの』[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 17:04:32 ID:2LRdtTgr
木乃香は日記を取られまいとベッドの方へ逃げていた。
それを追いかける刹那も必然とベッドの方へ。
日記を抱え込むようにして抗う木乃香から取り返そうとしたため、刹那が木乃香を襲うような形になっていた。


「桜咲さん! もう消灯時刻が近いのですから少し静か・・・・に・・・・」
「うぉ!? ネタ現場に遭遇!」
「スクープあらば即参上!」

騒ぎを聞きつけた図書館組、朝倉、いいんちょまでこの現場を目撃。
もう引けない現状。

「せめてドア閉めなさいよね、あんたたち・・・・」
「近衛木乃香さんにインタビュー! 今の心境は!?」
「二人の仲がそこまでだっただなんて・・・・この雪広あやか、精一杯応援いたしますわ!!」

ここまで来てやっと、今の状態がまずい事に気がついた木乃香と刹那。

「なんやみんな、えらい誤解してへん・・・・?
 これは、その・・・・・そう! プロレスごっこ! 遊んでたただけやえ!
 な、せっちゃん?!」
「え?! あ、そうなんです! 私はお嬢様と戯れていただけです!」
「『戯れる』とは、『みだらな言動をする。いちゃつく』といった意味もあるですよ」
「桜咲さん・・・・意外と大胆・・・・////」
「まさか本当にこんな関係だとは! やるね〜桜咲さん!」

『だから違います(違うえ)〜!!』


この日から木乃香と刹那はクラス公認となった。
また刹那の日記は結局木乃香に読まれてしまい、公私共々木乃香のいいなりになってしまったという。

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