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727 名前:【もしも】明日菜が生き返っていなかったら?【シリーズ】[sage] 投稿日:2007/03/01(木) 18:39:29 ID:0n9uziAN | ||||
――明日菜が死んでしまってから、もう3ヶ月経った。 それと同時に、ネギ君は毎晩どこかに行ってしまうようになってしまった。 明日菜と暮らした部屋に戻ってくるのが辛いみたいで、今は高畑先生の所にいるみたい。 それでも学校には毎日来ていて、みんなの前で笑ってる。 でもどこか無理してて・・・・毎日ネギ君と暮らしてきたウチには、その辛そうな笑顔が痛いほどよくわかった。 そして・・・・せっちゃんもどこかへ行ってしまった。 教室に空いてる二つの席。 ウチの隣と、釘宮さんの隣。 ウチの大事な人達は、もうウチの傍にはいない。 ――ウチにとってこの世界は、歯車の狂った世界になってしまった。 一人で暮らすには広すぎる部屋。 作りすぎてしまう料理。 そんなウチの胸には、いつも何か痛みがあって・・・・。 それでもみんなに心配をかけたくないから、いつも笑っていようと誓った。 その痛みは日が経つごとに治まるどころか、どんどん大きくなっていた。 | ||||
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728 名前:【もしも】明日菜が生き返っていなかったら?【シリーズ】[sage] 投稿日:2007/03/01(木) 18:40:13 ID:0n9uziAN | ||||
――そんなある日のこと。 部活を終えて下校中に通った、人影がまったく無い道。 静かなその空間で、急に胸の痛みが大きくなったような気がした。 『待ち人、近いうちに現れる』 『あと一歩が願い叶う秘訣』 思い出される、先ほどの占い結果。 こんな結果の占いなんて、3ヶ月前から何度も出てる。 待ち続けて、探し続けて、それでもせっちゃんは戻ってこない。 大好きな占いすらも、嫌いになりそうなほどの・・・・絶望感。 「何で・・・・みんないなくなるんやろ・・・・」 誰に言うわけでもなく発した言葉。 胸の痛みに耐え切れずにうずくまる。 なんだかこうしてれば、痛みが和らぐ気がして・・・・。 胸を掴んで、ただその場でうずくまっていた。 | ||||
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729 名前:【もしも】明日菜が生き返っていなかったら?【シリーズ】[sage] 投稿日:2007/03/01(木) 18:40:46 ID:0n9uziAN | ||||
「・・・・お嬢様!?」 遠い後ろの方でそう聞こえた気がする。 でもそれはいつも聞いている幻聴・・・・。 声だけなんて酷、イヤイヤをするように目を閉じて耳を塞いだ。 いっそすべて無くなってしまえばいいのに、自分の命も全部。 そうすればこの苦しみを味わうことだって・・・・。 そんなウチを引き戻すように、急に世界が反転した。 暗くてよくわからなかったけど、目を開いたそこには誰かの顔があった。 誰かに抱きかかえられてる・・・・? 「どこか痛い所でも!?」 「せ、せっちゃん・・・・?」 声でわかった。 ウチを抱きかかえているのは、確かにせっちゃん。 「な、なんでせっちゃんがここにおるの・・・・?」 「私は常に貴方の傍にいます! それよりも大丈夫ですか!?」 「う、うん・・・・大丈夫・・・・」 せっちゃんはウチを寮まで抱っこしてくれた。 部屋に戻ると、ウチのことを寝かせてくれて傍にいてくれた。 もう決して会えないと思っていたせっちゃんが・・・・ここにいる。 いつまでもこうしていたいと思ったけど・・・・眠気でだんだんと意識が遠くなっていった。 意識を手放す直前に、最後の力を振り絞ってせっちゃんの裾を掴む。 ・・・・けど目が覚めた時にはその手は離れていて、せっちゃんはもうどこにもいなかった。 | ||||
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730 名前:【もしも】明日菜が生き返っていなかったら?【シリーズ】[sage] 投稿日:2007/03/01(木) 18:41:24 ID:0n9uziAN | ||||
* ――今日もいつも通りに学校に行く。 ネギ君も、クラスのみんなも笑っている。 ウチも笑う。 そんな他愛の無い生活の繰り返し。 それでも数日前に、確かな事が起きた。 『私は常に貴方の傍にいます!』 せっちゃんは確かにそう言っていた。 ということは、今こうして笑っているのもせっちゃんは見てるんだよね? ウチはせっちゃんに悲しんでいる顔は見せたくないから。 だから今日もウチは笑う。 せっちゃんが見ていてくれるから・・・・。 でも人間、一度手に入れたものは手放したくないみたいで・・・・。 もう一度会いたい・・・・触れたい・・・・。 そういったウチの欲望は、治まる事がなかった。 それと比例するように、また段々と胸の痛みが重くなってくる。 掴みかけた希望も、すぐに絶望に飲み込まれていく。 | ||||
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