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768 名前:もしも明日菜が生き返っていなかったら?〜刹那side〜[sage] 投稿日:2007/03/02(金) 17:55:43 ID:+Ny0EsPa

*

「あの、お嬢様・・・・」
「どうしたん〜?」
「鎖・・・・外してもらえませんか?」
「ダメや」
「・・・・・・・・あぅぅ・・・・」


お嬢様は私の為に夜食を作られていた。

二人とも落ち着いた後、離れていた3ヶ月の事を話していた。
その3ヶ月、私は宿無しで生活していたと素直に告白したのだが、それが裏目に出てしまった。
なんでそんな無茶な生活をしていたのかと問い詰められ、うっかり次の事を口走ってしまったのだ。

「お嬢様が私を探してる姿を見てたら苦しくて、自分を痛めつけることしかできなかったんです・・・・」

・・・・案の定、私はお仕置きを受けていた。
こういった馬鹿な真似を、お嬢様は好まない。
さらにはお嬢様が苦しんでいるのを知っていた上で隠れていたのだから、お仕置きを受けても仕方のない事だった。

「はいせっちゃん、あ〜ん」
「お、お嬢様ぁ・・・・」
「口移しがいい?」
「・・・・あーんで、お願いします・・・・」
「素直でよろしいv」

お嬢様は相当ご立腹のようで、その日の夜は鎖で繋がれたままとなってしまった。
でも罰を言い渡すお嬢様はどこか楽しげで、私は少しうろたえはしたものの抵抗する気はまったく起きなかった。

769 名前:もしも明日菜が生き返っていなかったら?〜刹那side〜[sage] 投稿日:2007/03/02(金) 17:58:17 ID:+Ny0EsPa

*

・・・・お嬢様が寝静まった後、私は行動を開始する。
気持ち良さそうに寝ているお嬢様を起こさぬよう、私はゆっくりと鎖を外していった。

(龍宮め・・・・無駄に頑丈なのをかけたな・・・・)

かつての相棒に舌打ちしながら、鎖を外し終わる。
数時間ぶりの開放感。
しかしその数時間の束縛時間は幸せを感じられるものだった。

(・・・・ちょっと危ない趣味に目覚めそう・・・・)

鎖の跡ができた手首を擦りつつ軽く苦笑すると、お嬢様がもぞもぞと動いた。
起こしてしまったかと思ったが、ただの寝返りだったようだ。
すぐに規則正しい寝息が聞こえてくる。

「ん・・・・せっちゃん・・・・逃げないで・・・・」

かすかに聞こえてきた寝言。
そんな悲しい寝言を言わせてしまってるのは、護衛であるはずの私自身。
私はお嬢様に近づき、そっと額に口付けた。

「もう逃げませんよ・・・・貴女に鎖で縛り付けられてしまいましたからね・・・・」

たまにはいいかなっとお嬢様の隣に横になる。
久しぶりのベッド、優しい香り。
緑の匂いもいいけれど、やっぱり寝るならこっちだな・・・・そう思いながら私は眠りの世界に落ちていった。

770 名前:もしも明日菜が生き返っていなかったら?〜刹那side〜[sage] 投稿日:2007/03/02(金) 17:59:05 ID:+Ny0EsPa

それから私たちはいつも傍にいる。
学園にも来年からまた通えるようになった。
高校生活についていけるように、今から勉強し直さないといけない。

「せっちゃん、明日菜の墓参り行こ」
「あ・・・・はい」
「明日菜も心配しとったと思うから・・・・うちらはもう大丈夫やえって言いに行かへんとね」
「・・・・はい!」


こうしてる今も、世界ではたくさんの人が死を向かえています。
それと同じで、私もいつかはお嬢様を失うでしょう。
逆にお嬢様が私を失うかもしれません。
ですがそれでも前を向いて歩き続ける事、それが私たちの生きている意味なのです。
それが生を掴んでいる私たちの役目なのです。
そうですよね? 明日菜さん・・・・。

FIN

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