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825 名前:キーワード『年齢詐称薬』『ゲーセンでデートするこのせつ』[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 18:30:10 ID:MuGRRxhd

「せっちゃん、こっちも着てみて〜v」
「は、はぁ・・・・」

桜咲刹那は今、都内のショッピングセンターに来ている。
その隣で楽しそうに試着用の服を選んでいるのは、刹那の幼馴染の近衛木乃香。
木乃香はパッと見で気に入った服を手に取る。
そしてサイズを確かめると、刹那の意見なしに渡す。
・・・・ものすごい量である。

「あの、これ全部着るんですか?」
「ん〜、せっちゃんが気に入ったのだけでええよ〜v」
「は、はい、わかりました・・・・」

木乃香は明日菜やネギの服を選んだりと、ファッションセンスはお墨付きではある。
とはいえ、普段刹那が着ないようなものばかり。
普段地味に暮らしている刹那には、気の引けるものばかりだった。

「せっちゃん素材がええからなぁ・・・・」
「そ、そうですか・・・・?」
「嘘やないえ〜? ほらほら、はよ着てみて!」

826 名前:キーワード『年齢詐称薬』『ゲーセンでデートするこのせつ』[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 18:30:45 ID:MuGRRxhd

ちなみに、なぜこういう事態になっているかというと・・・・。

――刹那は昨日、龍宮と原宿に行っていた。
遊びではなく、ちゃんとした仕事でだ。
刹那はクライアント側の要求した人材になるために、年齢詐称薬を使用した。
その時の服は龍宮に選んでもらったのだが、その服がなかなか良かったらしい。
それで木乃香が嫉妬してしまい、木乃香も刹那の服を選ぶと言い出して譲らなかったのだ。
隠し事をしていた刹那は当然断る事ができず、素直に従うしかなかった。

もちろん今の刹那は薬を使っていて、容姿は大人である。
さらになぜか木乃香も薬を使っていて、今日のデートは木乃香いわく『大人のデート』になるらしい。
そんなデートをするにあたって、刹那は木乃香にいくつかの約束をさせられていた。
その一、木乃香の事はお嬢様と呼ばない事。
その二、最初に選んだ服を着てデートする事。等・・・・

827 名前:キーワード『年齢詐称薬』『ゲーセンでデートするこのせつ』[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 18:31:18 ID:MuGRRxhd

「せっちゃん、着れた〜?」
「はい・・・・」
「ほな失礼するな」
「うわっ!?」

容赦なく試着室に入ってくる木乃香。
いくら選んだのが木乃香とは言え、着馴れない服を着ている刹那は見られるのが恥ずかしかった。

「ほわ〜・・・・さすがせっちゃん。似合うてるなぁ」
「あ、ありがとうございます・・・・」
「そないな照れないで、もっと自信持ち〜?」

見られて赤面する刹那と、なぜかそんな刹那を見て同じく赤面する木乃香。
試着室の中なので誰も見ていないが、端から見たらかなりのバカップルだろう。

「ほな、これ買おうか? でも、他のも着てみてな?」
「はい・・・・」

結局はほとんど着せられる羽目になる。
お昼になってようやく開放された刹那だった。

828 名前:キーワード『年齢詐称薬』『ゲーセンでデートするこのせつ』[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 18:31:50 ID:MuGRRxhd

(き、着替えがこんなに疲れるとは・・・・)

すでにヘトヘトの刹那。
それに引き換え木乃香は、刹那の着せ替えでかなり満足したようだ。

「なぁせっちゃん、お昼何食べたい?」
「お嬢様が食べたいものでいいですよ」
「ウチはせっちゃんに聞いてるんよ〜? それと呼び方・・・・」
「・・・・ごめんなさい、こ、このちゃん・・・・」

相変わらず照れる刹那。
木乃香はやや不満げだが、ちゃんと言い直したので許すことにしたようだ。

「お姉ちゃんたち、二人っきり〜?」
「ほえ?」

後方から人が二人近づいてきた。
歩くだけで音がするたくさんのアクセサリーを付けた、20代前後の男性だ。
髪もかなり明るい茶に染められている。

「・・・・何か御用ですか?」
「そんな怖い顔しないで〜?」
「そうそう、一緒にお昼食べない?」
「え、えと・・・・せっちゃん・・・・」

829 名前:キーワード『年齢詐称薬』『ゲーセンでデートするこのせつ』[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 18:32:42 ID:MuGRRxhd

木乃香は慣れない雰囲気の相手に怯えてしまったようだ。
見かけは20歳近くでも、中身は14歳の中学生である。
仕方のないことだ。

しかし刹那は仕事の関係上、年上とのコミュニケーションには幾分慣れている。
特にその相手が木乃香に手を出そうとしているならば、切り捨てる覚悟も気迫もある。
少しも怯まずに、木乃香を連れてその場を後にしようとした。

「すみませんが、失礼します」
「えー、まってよ〜」
「奢っちゃうからさ? ちょっと遊ぼうよ」
「きゃっ」

一人が木乃香の腕を掴んだ。
もう一人も刹那の手を掴もうとするが、既にそこに冷静な刹那はいなかった。

「貴様、木乃香っ、から離れろっ!」
「うわぁっ!?」

刹那の凄まじい剣幕に男たちは怯む。
その隙に刹那は木乃香の手を引いて、その場を立ち去った。
無駄な争いを避けるための判断だった。

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