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830 名前:キーワード『年齢詐称薬』『ゲーセンでデートするこのせつ』[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 18:33:27 ID:MuGRRxhd

「お嬢様、大丈夫ですか?」
「う、うん・・・・ちょっと疲れただけ・・・・」
「あんな輩に触れさせてしまって、申し訳ございません!」
「せ、せっちゃん!」

護衛として頭を下げる刹那。
人目のない裏道とはいえ、その光景はカップルとは程遠いもの。

「もう、せっちゃん! デートなんやから護衛さんはお休みやえ?」
「し、しかし・・・・」
「ん〜、そうやな・・・・さっきウチの事呼び捨てにしてくれたから、それで許したるv」
「・・・・・・・・へ?」

先ほどチンピラに絡まれた際、刹那は木乃香のことを『木乃香』と呼び捨てにした。
それは本当は『木乃香お嬢様』と言おうとしたのだが、さすがに人前で『お嬢様』はまずいと判断した結果。
後に『離れろっ!』が控えていたので、敬称付けする余裕もなかった。

「も、申し訳ございません!? とっさのことで、その・・・・!」
「だから、許したげるって。これからもそう呼んで欲しいなぁ・・・・?」
「お、お嬢様にそんなっ・・・・」
「せっちゃん、約束その一」
「・・・・・・・・この・・・・か・・・・」
「よろしいv」
「うぅ・・・・」

刹那は絡んできたチンピラたちを憎んだ。
次に会うときが来てしまったら、確実に彼らは切られるであろう・・・・。

831 名前:キーワード『年齢詐称薬』『ゲーセンでデートするこのせつ』[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 18:34:13 ID:MuGRRxhd

――そして二人は昼食をすませ、午後のデートを始めた。
商店街を歩き回って、面白そうなものを見つけては立ち止まる。
それは二人の好みが分かる探索だった。

まず最初に、木乃香が古本屋に入ってしばらく動かなかった。

木乃香がまだ京都にいたとき、木乃香には友達がいなかった。
だから家庭教師との勉強以外の知識は、屋敷にある本で養っていたのだ。
それが現在の本好きに影響している。
それを知っている刹那は、木乃香の気が済むまで古本屋に付き合った。

(やはりお嬢様は本がお好きなんだな・・・・私も向こうで力になっていれば・・・・)

832 名前:キーワード『年齢詐称薬』『ゲーセンでデートするこのせつ』[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 18:34:48 ID:MuGRRxhd

次に刹那が骨董屋で立ち止まった。

刹那が骨董品に興味があるのは、たまに退魔に役立つ物があるからだ。
いつも刹那は木乃香を最優先にして、自分の事は後回しにする。
だから刹那が骨董に興味があることを、いままで木乃香は知らなかった。

刹那の興味のある物を知らなかった自分に、少しシュンっとする木乃香。
しかし刹那の今の行動は、少しずつ硬い関係が崩れて対等の立場になってきている事がわかるものだった。

(今はまだ強制やけど・・・・いつかは自然に名前で呼んでくれるよね・・・・)


さっと骨董品の下見を終えて出る二人。
また一つ刹那のことを知った木乃香は、上機嫌で刹那の腕に絡んだ。

「お嬢・・・・じゃないくて・・・・この、か・・・・!?」
「えへへ、せっちゃんかわええな〜v」
「・・・・からかわないで・・・・このちゃん・・・・」

どうやら"木乃香"より"このちゃん"の方が呼びやすいご様子。
ご機嫌な木乃香は、ここで『呼び捨てにしなさい命令』を撤回してあげたのだった。

833 名前:キーワード『年齢詐称薬』『ゲーセンでデートするこのせつ』[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 18:35:23 ID:MuGRRxhd

そして夕刻近い時刻。
二人はゲームセンターにいた。
木乃香がハルナやゆえに影響されて始めたカードゲーム。
そのアーケード版がある店舗だ。
刹那も修学旅行の時に後ろで見ていた。

「せっちゃんもこのゲームやらへん〜?」
「すみませんが、時間の方が・・・・」
「・・・・なら、しゃあないなぁ」

好きな人と好きなものを共有したい、と思うのが人間の心理。
木乃香も刹那をカードゲームに誘ったが、刹那は魔法生徒なので遊ぶ時間がなかった。
それを知っている木乃香は強要できない。

「ほんなら、ウチの隣で一緒にやろ?」
「はい、それなら喜んで」

IDカードを入れて、パスワードを入力。
そして通信対戦を選んでスタート。
対戦相手はすぐに集まった。

「う〜ん、どれがええと思う?」
「・・・・これはどうでしょう?」

仲良く同じ椅子に座って、戦略を練る。
ネギがハルナやゆえにルールを習っている現場にいたので、刹那もある程度このゲームは知っていた。
職業病とも言える戦略の立て方で、なんなく連勝を重ねる。

834 名前:キーワード『年齢詐称薬』『ゲーセンでデートするこのせつ』[sage] 投稿日:2007/03/05(月) 18:35:56 ID:MuGRRxhd
「ひゃー、さすがせっちゃんやなぁ!」
「いえ、お嬢様・・・・このちゃんのカードが強いんですよ」
「でもウチ、この538さんって人に勝った事ないんやえ〜?」

確かに強かったと思う。
素人の刹那だったが、イケると思っても巻き返されて、結果的にカード運で勝てたという所だ。
その後も二人は連勝を続けて、木乃香の成績は一気に上がった。

「・・・・このちゃん、ですよね?」
「え?」
「ほえ?」

ちょうどクレジットが切れた頃に、後ろから声をかけられた。
声をかけてきたのは、先ほどまで向かい側で同じゲームを楽しんでいた男性。

「そうやけど・・・・」
「あ、僕538です」
「え、さっきの!?」

そう、さきほど辛くも勝利した相手だった。
どうやら負けた後、後ろで見ていたらしい。
ちなみに木乃香のプレイヤーネームはKONO。
ちゃん付けにすれば自然と『このちゃん』だ。

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