TOP
TOP   SS   イラスト
<< 前頁  クラフト 氏  次頁 >>
917 名前:お見合い[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 11:14:12 ID:xfZQGuFr

「なに言うとるの? あの人はウチの恩師やえ?」
「え、恩師?」
「京都にいたときの家庭教師さんや。もちろんお付き合いは断ったえ」
「でも、昨日・・・・!」
「東京を案内しとっただけや」
「そ、そうだったんですか・・・・」

刹那は勘違いをしてしまった事に、気まずさを感じる。
それとは裏腹に木乃香は嬉しそうに微笑んでいた。

「これでやっとウチら、両想いやな?」
「え?」
「せっちゃん、いっつも答えてくれへんのやもん・・・・自信なくなってもうて」

(・・・・お嬢様が求めてたのは・・・・私の気持ち?)

刹那は自分の行動を振り返ってみる。
木乃香が自分に想いを伝える事は、いつものことだった。
しかし自分は?
木乃香の告白に『ありがとう』と伝えるだけで、自分の想いははっきりと伝えてなかったような気がする。

「・・・・嘘じゃないですよ。この気持ちは」
「ほんま? ・・・・じゃあ、もう一度言うてほしいな・・・・」
「・・・・お嬢様、す、好き、です・・・・」
「・・・・・・・・うちもせっちゃんの事だ〜いすきや!」
「ひゃあ!?」

918 名前:お見合い[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 11:14:47 ID:xfZQGuFr

刹那に抱きつく木乃香。
抱き付かれてる刹那に、先ほどの不機嫌な表情はなかった。
照れるが嬉しいといった、幸せな困惑顔がそこにある。


「・・・・せっちゃん、昨日ウチらの事つけとったやろ?」
「っ!?」
「おじーちゃんの屋敷でも、ずーっと外におったやろ?」
「え、何で・・・・!?」
「あの先生、武道もやっとるらしくてな。せっちゃんがいるの教えてくれたんや」
「・・・・やはり、只者ではなかったのですね・・・・」

一般人が普段入れないところに入るという事は、何かしら裏の世界に関与しているということ。
屋敷に張り付いていた理由に、あの男が木乃香に何かするのではないかという不安があったのだ。

「・・・・怒られますか? 護衛とはいえど、ストーカー紛いの事をして・・・・」
「うん、怒る」
「うっ・・・・」
「なんで隣やなくて、後ろなん?」
「・・・・へ?」
「外やなくて中におればええのに。そないな遠慮なんてせんで・・・・隣におればええやん?」

919 名前:お見合い[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 11:16:10 ID:xfZQGuFr

・・・・木乃香は刹那にストーカーをされても、嫌な気はしないようだ。
刹那にはプライベートをさらけ出しても良いという事だった。

「・・・・隣に居て良いんですか?」
「もちろんや。たまには独占してよ、せっちゃん?」
「本当に良いんですか?」
「うん、ええよ」
「本当に・・・・離しませんよ?」
「・・・・っ!」

相手の気持ちも、自分の気持ちもはっきりした今・・・・照れる必要はない。
刹那は木乃香に顔を近づけ、迷い無くまっすぐに見つめた。
その刹那の強気で積極的な行動は、余裕だった木乃香を赤面させる。

――木乃香の鎌かけは、成功したようである。

920 名前:お見合い[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 11:17:47 ID:xfZQGuFr

*

それからも、木乃香は相変わらずお見合いをしている。
普段自分に合わせている刹那が、自分に対して不満をいうのが嬉しいから。

「うーん・・・・せっちゃーん、お見合いするならこの中の誰がええと思う?」
「こんなの、選ばなくていいですっ」
「やんせっちゃん、返してー!」

しばらくの間、必死で木乃香のお見合いを阻止する刹那が見られたという。


FIN

<< 前頁  クラフト 氏  次頁 >>


ページトップ

管理人:虚武僧
web拍手
┣サイトへの意見・要望
┗リンクミスの報告など