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914 名前:お見合い[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 11:11:57 ID:xfZQGuFr

*

クリティカルヒットだったらしく、頭痛がひどい。
刹那はベッドに寝かされて、ぶつけた場所を濡れたタオルで冷やされる。

「で、せっちゃん。何かあったん?」
「え?」
「なんや悩み事ありそーな顔しとったから」
「・・・・なんでもありませんよ」

木乃香がそっと刹那の頬に触れると、少し不機嫌な顔が見えた。

「なんや、怒ってるん?」
「・・・・怒ってません」
「ほんまに?」
「・・・・怒ってないです」

(怒っとるやん・・・・)

いつもは触れられたら、照れて逃げ出すのに。

「せっちゃんが不機嫌なの、珍しいね?」
「・・・・そうですか?」
「いつもウチの前やと我慢してるやん・・・・言いたい事あったら言ってみ?」
「・・・・お嬢様に報告するほどのことではありません」

915 名前:お見合い[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 11:12:27 ID:xfZQGuFr

ふいっと横を向かれてしまった。
普段見せない刹那の不貞腐れた表情に、木乃香は悪いと思いながらも・・・・嬉しさを感じた。

「ウチに隠し事? それとも嫌われてもうた・・・・?」
「嫌ってなど! ・・・・それに、隠し事をしているのはお嬢様の方ではないのですか・・・・?」
「・・・・せっちゃん、ウチが結婚したらどないする?」

――確信犯。
そう、木乃香は刹那が嫉妬している事を知っていた。
お見合いの時、相手が知り合いだと気付いた木乃香は彼にお願いをした。
お見合いが上手くいっている振りをして欲しい、と。

木乃香は刹那の本心を知るために鎌をかけているのだ。
刹那はそれに引っかかり、しっかりと誘導されていく。

「っ! ・・・・お嬢様が幸せならば、私は――」
「じゃあどないしてそんな辛そうな顔するん?」
「つ、辛くなど・・・・! 私はお嬢様に仕える身で・・・・」
「・・・・そか・・・・せっちゃんはウチの事、どうでもええんやね・・・・」

ゆっくりと木乃香が刹那の傍を離れる。
が、それは刹那の手によって止められた。

916 名前:お見合い[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 11:13:14 ID:xfZQGuFr

「お、お嬢様!」
「離してせっちゃん」
「わ、私は・・・・私は、お嬢様が好きです! どうでもいいなんて思っていません!」
「・・・・ほんま?」
「・・・・・・・・あ・・・・」

刹那の顔が一気に赤くなる。
いつもの刹那に戻り、自分の告白に慌て始めた。

「せっちゃ〜ん? いまさらなに赤くなっとるの?」
「あ、いえ、私はその・・・・!」
「今の言葉嘘やったん? 嫌い?」
「ち、違います! 私はお嬢様の事が好きで・・・・じゃなくて――!」

刹那の思考が暴走し始めた。
肯定と否定を繰り返して、自分で自分の首をさらに締める。
そんな刹那を見ている木乃香は、二度も刹那から告白されて大満足の様子だった。

「クスクス・・・・やーっと言ってくれたな〜?」
「な、なにがですか!?」
「せっちゃんの素直な気持ち。いつもウチの一方通行やったやん?」
「それは、恥ずかしくて! ・・・・でも、お嬢様はあの方とお付き合いしてるんですよね・・・・」

刹那はしゅんっとうな垂れた。
あの方とはもちろん、木乃香の共謀者の事である。
どうやら完全に付き合っていると思っているようだ。

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