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960 名前:【春のバカンス 〜ホワイトデー〜】[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 12:36:28 ID:tooKAa7S

「失礼します」

刹那は木乃香を抱き上げる。
木乃香は刹那の首に手を回した。

「しっかりつかまっててくださいね」
「・・・・絶対離さへんから、安心し?」
「はい、わかりました」

木乃香は深い意味で言ったのだが、刹那はそれに気付かない。
そんな鈍い天使は、翼を広げて海へ飛び立った。


「・・・・ほんま、綺麗やな〜」
「はい、月と星と海と・・・・普段では見られない組み合わせですね」
「・・・・・・・・」
「なにかおっしゃいましたか?」
「・・・・ううん、なんでもないえ。今日は来てくれてありがとなv」
「はい、いいんちょさんにはお礼を言わないと」

――白い天使さんが綺麗なんやけどな。
その言葉は木乃香だけの中に閉じ込められた。

961 名前:【春のバカンス 〜ホワイトデー〜】[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 12:37:00 ID:tooKAa7S

「・・・・お嬢様、今日は何の日か覚えていらっしゃいますか?」
「えーと、14日やから・・・・ホワイトデーやよね」

今日は世間でいうホワイトデーの日。
しかし木乃香と刹那はバレンタインに本命を交換していたので、木乃香はあまり気にしてなかったようだ。

「・・・・でもうちら、交換したやん?」
「ですが・・・・やはり、なにか贈った方がいいかと思いまして・・・・」

少し罰が悪そうに言葉を濁す刹那。
刹那はプレゼントを用意していたが、急に連れてこられたのでそれを寮に置いてきてしまったのだ。
木乃香にとっては、ここに来てくれた事がプレゼントに近かったのだが、律儀な刹那はそれでは物足りない。
仕方なく木乃香は少し考えて、一つの提案を出した。

「ほんなら・・・・今何か、してみて?」
「え? 今、ですか?」

いきなり何かしろと言われても、大抵の人なら困る。
特に何もないこの空間ではなおさらだ。
しばらく唸って考えていた刹那だったが、何かを思いつくと恥ずかしそうに口を開いた。

962 名前:【春のバカンス 〜ホワイトデー〜】[sage] 投稿日:2007/03/14(水) 12:37:55 ID:tooKAa7S

「えーと・・・・このちゃん?」
「ん、何?」

満月と星空、そしてその光を反射する海原。
それらの間を飛ぶ白い天使に抱かれている姫君。

姫君が天使に呼ばれて上を向き、それに合わせて天使は下を向き・・・・。
・・・・自然と二人の唇は重なった。


それはマシュマロよりも甘い、白い天使からの贈り物。


FIN

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