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27 名前:別れた運命、同じ道[sage] 投稿日:2007/03/18(日) 02:45:58 ID:XLL7YPsc

  ――昨年に北欧と南欧で勃発した魔法使いたちの対立。
  長年に渡って続くと思われていた紛争だったが、
  先月その地に訪れたネギ・スプリングフィールドと、その仲間たちにより終戦となった。
  彼らの働きは、かつての『紅き翼(アラルブラ)』の働きと似たものがある。
  それによって、「サウザンドマスターの再来」と賞賛の声をあげる評論家も数多い。
  彼らの働きには魔法世界の全国魔法協会も注目しており、彼らが世界にとって"希望"になるのではないかと評価している――


「・・・・みんな、がんばっとるなぁ」

魔法世界から届いた魔法新聞を読む女性。
呟いた後に見せたその笑顔は、まだ幼さが残っている。

「明日菜さんを含め、のどかさんやゆえさん達もネギ先生についていきましたからね」

その呟きに答えたのは、刀を床に置き片膝をついた女性。
魔法新聞を読む女性より身分が低いと思われるが、二人の間には穏やかな空気が流れていた。

「まさか、千雨ちゃんもついて行くとは思わんかったわ〜」
「ネットアイドルも続けてるみたいですよ。サイトの更新は続けられているので・・・・」

カコンッ、と外から竹の音がする。
再び訪れる静寂。
新聞を読んでいた女性――近衛木乃香は顔を上げると、片膝をついている女性――桜咲刹那を見た。

「・・・・せっちゃんも、ついて行きたかったんとちゃう?」
「いえ、私はこのちゃんのお傍に」

何を今更、と刹那は微笑んだ。
その笑顔を見て、木乃香は少し照れつつ微笑み返した。

28 名前:別れた運命、同じ道[sage] 投稿日:2007/03/18(日) 02:46:33 ID:XLL7YPsc

――ネギは無事修行を終えて、正式な魔法使いとなった。
それと同時に"悠久の風"に所属し、平和の為に世界を飛び回る事となった。
そしてその旅に、神楽坂明日菜を含むネギの仮契約者たちのほとんどが同行する事になる。
ネギはこの旅の困難さを必死に伝えていたが、明日菜やのどかたちの意思は堅かった。

・・・・しかし木乃香と刹那は、そのネギの旅に同行しなかった。
木乃香は、自分自身が"魔法世界における世界と日本の掛け橋となる事"を選んだのだ。
それは魔力も才能もあって、日本を代表する魔法使いの家系である近衛家に生まれた木乃香にしかできない役割だった。
そんな木乃香に刹那も付き、現在二人は京都の本家に戻ってきている。


「あの・・・・明日の、事なのですが・・・・」
「うん・・・・」

明日は3月18日、木乃香の誕生日。
もちろんそれは屋敷全体にも知れ渡っていて、明日にはパーティも開かれる事になっている。
木乃香は近衛家のお嬢様、屋敷中が放って置くわけが無い。
しかし・・・・。

「・・・・従者である私などが、主君の誕生日を個人的に祝うなど・・・・」
「わかってるえ・・・・。無理せんでええよ?」
「・・・・・・・・申し訳ございません・・・・」

実家の跡取りとして戻ってきた木乃香。
その従者として一緒に戻ってきた刹那は、学園にいたとき以上の主従関係に縛られていた。
それは周りの目もあったし、神鳴流剣士として神鳴流の名を汚す訳にもいかなかったからである。
戻って来たばかりの頃は上下関係が原因で、木乃香と会う事すら難しかったほどだ。

29 名前:別れた運命、同じ道[sage] 投稿日:2007/03/18(日) 02:47:02 ID:XLL7YPsc

「やっぱお偉いさんになるには、我慢せなあかんこともあるんやね・・・・」
「はい・・・・自由奔放な主君は長続きした例がありませんので・・・・」
「・・・・せっちゃんの苦労、なんやわかった気がするえ」

魔法の修行と、跡取りになるための勉強。
暮らしには困らなかったが、代わりに学園生活の時にあった自由はなかった。
それでも大切な幼馴染との会話と、時折知らされるネギ達の活躍が木乃香を支える。

「ウチも頑張らないかんな。マギストロ・マギになってたくさんの人を助けるんや」
「・・・・マギステル・マギやえ、このちゃん」
「あ、そうやったわ〜」

従者が主君にツッコミ・・・・本来ならば考えられない事。
しかし木乃香と刹那は、家の身分さえなければまだ遊びたい盛りの女の子である。
それ以前に、二人は幼馴染であり大親友なのだ。
昔のように無邪気に遊ぶ事はできないが、絆は何よりも堅く結ばれていた。

「ほなウチ、魔法の練習してくるえ」
「お供しますか?」
「んーまた式神の出し方教えてほしいかも」
「はい、このちゃんのお望みならば」

屋敷にいるただ一人の友人と遊ぶ事なく、ひたすらに修行と勉強を行なう木乃香。
・・・・そんな我が子を、どこか悲しげな表情で見つめる詠春の姿があった。

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