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477 名前:世界樹の下で[sage] 投稿日:2007/04/20(金) 01:19:52 ID:bgREBOFC | ||||
「・・・・ちゃんと、躾せなあかんよなぁ」 「躾、ですか? 犬でも飼うのですか?」 「今隣におるやん」 「・・・・私、ですか?」 「そやv」 「犬では・・・・ないですが・・・・」 刹那は強く反論できない。 元より木乃香は刹那の"主人"であり、刹那は木乃香の"従者"なのだ。 あながち間違ってはいない。 「・・・・それで、躾とは・・・・?」 「せっちゃん、最近会いに来てくれへんし」 「うっ」 「寮にも戻って来ないし」 「ぐっ」 「今日に至っては、傍におったのに踏みつけるまで声かけてくれへんかった」 「・・・・お嬢様も気付いてたんですか?」 「どうやろね?」 木乃香は純粋に気付かず、踏み付けてしまっただけだった。 それなのに嘘をつく木乃香は、刹那の反応を見て楽しんでいるのだ。 しかし相手の刹那はというと・・・・。 (わ、私は何て事を・・・・! 従者が主君を放って置いて、逆に主君に手を煩わせるなどと・・・・!) ・・・・完全に自己嫌悪に陥っていた。 木乃香が見ている事を忘れて、一人頭を抱え込んでいる。 | ||||
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478 名前:世界樹の下で[sage] 投稿日:2007/04/20(金) 01:21:17 ID:bgREBOFC | ||||
(心優しいお嬢様に躾などというお仕置きまでさせてしまうだなんて・・・・なんという失態!!) 「・・・・ぷ、あはは!」 「え? お、お嬢様?」 「せっちゃん、真面目過ぎやわぁ。冗談に決まってるやんv」 「じょ、冗談・・・・?」 「せっちゃんお仕事忙しいんやもん。・・・・ただの、うちの我侭やえ?」 木乃香が刹那に顔を向ける。 ここでやっと横になった二人の目線が交わった。 木乃香の顔は穏やかで、怒っているようには見えない。 刹那はほっと一息ついた。 「・・・・でも、やっぱり私が悪いです。お嬢様を一人にさせてしまって・・・・気が緩んでいる証拠です」 「せっちゃんはお仕事頑張ってるやん」 「いえ、私の本職は貴女をお守りすることですから・・・・無理してでもお傍にいるべきで・・・・」 「せっちゃん・・・・どあほ」 「え?」 木乃香は少し身体を起こす。 そして完全に起き上がらずに、刹那の上にダイブした。 ぼすっと音がして、木乃香の上半身は刹那の腹部に乗る形になる。 結構な勢いがあったようで、刹那の顔が少し歪んだ。 「っ・・・・」 「・・・・無理してまで傍にいてほしくない」 「そ、それは・・・・」 「ご主人様とワンちゃんは、お互いが信頼しあった"パートナー"でもあるんやえ?」 「・・・・やっぱり私は犬なんですね」 「突っ込むとこちゃう」 | ||||
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479 名前:世界樹の下で[sage] 投稿日:2007/04/20(金) 01:22:52 ID:bgREBOFC | ||||
二人はお互いに上体を起こして、あははっと笑い合う。 別に言葉にする必要はなかった。 "無理にでも"と言うのは例えの話。 刹那と木乃香はお互いが求め合って、お互いが寄り添っているのだから。 「犬の部分は肯定しませんが・・・・信頼していますよ、お嬢様」 「それはウチもや。明日からはちゃんと帰ってきてな?」 「はい、疲れを癒してもらいにいきます」 「よろしい」 至近距離で見える相手の偽りのない顔に、二人は安堵した。 暗くともこれだけ近ければよくわかる。 そして・・・・求めていた答えを得て話題を失った木乃香は、刹那より一足先にある事に気が付いた。 「・・・・せやけど、やっぱ躾は必要やよね〜?」 「え?」 「あ、今は褒めるべきやね。"待て"ができたもん」 「"待て"・・・・・・・・って!?」 「もう遅い」 刹那は今の状況に気付く。 叱られて怯えていた為に、逃げ出すことを忘れていた。 逃げずに木乃香の行動を受け入れていたので、自然と普段より体が密着していて・・・・。 この密着度は・・・・色々とまずい。 しかし気付いたところで、もはや手遅れ。 しっかりと胴体を抱え込まれ、逃げることは出来なくなっていた。 | ||||
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480 名前:世界樹の下で[sage] 投稿日:2007/04/20(金) 01:25:09 ID:bgREBOFC | ||||
「やっぱり"お手"からかなぁ?」 「で、ですから私は・・・・んぅ――!?」 「――うるさいのは"ダメ"・・・・うちの部屋で、躾けたるv」 「・・・・うあぁぁ////」 ――この日から刹那は、木乃香から犬のような扱いを受ける事となってしまった。 特に"待て"と"ごろーん"は徹底的に躾けられたようだ。 その命令がどのように使われたかは・・・・ご主人様とそのパートナーにしかわからない事である。 FIN | ||||
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