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901 名前:遠出[sage] 投稿日:2007/05/21(月) 22:58:26 ID:7uaQfn86

「せっちゃんどこ〜?」

ある日の放課後、木乃香は刹那を探して校内をうろついていた。
夕飯の事でネギと明日菜の事も探していたのだが、今日に限ってその二人も見つからない。
携帯も音信不通である。

「職員室にも美術室にもおらへんしなぁ・・・・あれ?」

木乃香は普段使われていない教室から聞こえる話し声に気付いた。
この教室は総合などの授業に使われるだけで、放課後に使われる事もない。
気になって近づくと、わずかながら何らかの魔力が感じられた。

(誰がおるんやろ・・・・)

木乃香は周りを見渡し、誰もいないのを確認すると聞き耳を立てた。
人払いの術がかかっていた様だが、強大な魔力を所有する木乃香には効果がなかったようである。

「――北海道ですか?」
「はい、学園長の知人が困っているそうでして・・・・」
「それって、かなり個人的な用件ね・・・・」

(この声・・・・せっちゃんとネギ君とアスナ?)

想い人と同居人たちの声を聞き間違えるはずもない。
会話の内容が気になり、木乃香は周りを気にする事を忘れて聞き耳を立てていた。

903 名前:遠出[sage] 投稿日:2007/05/21(月) 23:01:30 ID:7uaQfn86

*

学園長から受け取った依頼書を見つつ、刹那はネギたちに内容を簡潔に話す。

「一週間ほどで戻ってこれそうなんですが・・・・」
「いつ頃発つんですか?」
「本日の夜には」
「ほんと急ねぇ・・・・」

刹那は学園長に特別な任務を受けた。
その任務は学園長の個人的な頼みであったが、普段から世話になっているために断れなかったようだ。
そして自分がいない間の木乃香の護衛を、ネギと明日菜の二人に頼んでいた。

「木乃香には話したの?」
「いえ・・・・それもアスナさんたちにお願いしようかと」
「刹那さん、それは・・・・」

ネギとアスナは苦笑した。
刹那は仕事となると眼つきが変わる。
それが木乃香の悩みの種であることを、同居人の二人は知っていたのだ。

「ちゃんと自分で話してから行きなさい、ね?」
「僕もそう思います」
「そう・・・・ですか? ですが、色々と準備も――」
『木乃香さん、何してるですか?』
『ひゃっ!?』
「・・・・え!?」

教室の外、それもドアを隔てた至近距離で声が響く。
それは盗み聞きをしていた木乃香と、偶然通りかかった夕映の声だった。

904 名前:遠出[sage] 投稿日:2007/05/21(月) 23:03:41 ID:7uaQfn86

強大な魔力を持つ木乃香が居た為に、人払いの術の効果が弱ったようだ。
さらに夕映は魔法の存在を知っていたので、大した違和感もなくこの空間に踏み込めてしまったのである。

「こ、木乃香さん、いつからそこに?」
「・・・・せっちゃんが北海道に行くって所からやえ。せっちゃん、お仕事の準備手伝ったげるな?」
「え? いえ、お嬢様にそのような――ぐっ!?」

刹那が言い終わるや否や、木乃香は刹那の首筋を掴んだ。
その衝撃で刹那から一瞬、苦痛の声が漏れる。

「ええから。・・・・な?」
「は、はい・・・・」

刹那はそのまま木乃香に引き摺られて教室を後にした。
あまりの剣幕に、その場にいたネギとアスナは震え上がる。

「・・・・なにかあったですか?」
「あ、あはは・・・・なんでもないのよ・・・・」
「刹那さん、頑張ってください・・・・」
「・・・・?」

夕映は二人が去っていった廊下を振り返る。
そこには必死で体勢を立て直し、主である木乃香の荷物を預かろうとする刹那の姿があった。

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