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27 名前:五月病?[sage] 投稿日:2007/05/28(月) 22:41:46 ID:8GxYaRXE

「お、驚かせてもうて堪忍な・・・・?」
「・・・・お嬢様!? 申し訳ござい・・・・つぅ・・・・」
「どないしたん!?」

刹那はベッドから起き上がると同時に、目を閉じた。
その刹那に木乃香が心配した顔で近づく。

・・・・刹那は血筋の問題で、常人とは違う瞳の色をしている。
それを隠す為に普段からカラーコンタクトをしているのだが、どうやら忘れたまま寝てしまったようだ。
それにより少し目を傷めてしまったらしい。

「どうやら・・・・少し、寝てしまっていたんですね」
「う、うん、せやけど・・・・目痛いん・・・・?」
「乾いた目がコンタクトで傷付いたみたいです・・・・目薬をさせば大丈夫ですよ」

無理に目を開けて目薬を探す刹那。
その刹那を木乃香が抱き止め、そっと目の辺りに手を置いた。

「お、お嬢様?」
「ウチが探したるから・・・・座っとって?」
「は、はい・・・・」

木乃香は刹那が身体をぶつけない様に支えながら、ゆっくりと刹那を座らせる。
刹那に拒否の色はない。
久しぶりに感じる木乃香の体温に妙に安心感を感じ、思考回路は停止していた。

「・・・・せっちゃん、目薬って机の上のこれ?」
「え、あっ、はい・・・・!」

28 名前:五月病?[sage] 投稿日:2007/05/28(月) 22:42:49 ID:8GxYaRXE

話しかけられて再び活動を始める思考。
しかし色々と不意打ちを食らった反動で、なかなか普段通りにはならない。

「ほな、ウチがさしたるな〜」
「じ、自分ででき――」
「ええから、ほら!」
「い、いえ、あの・・・・え!?」

後ろに引っ張られて、ぐるりと反転する世界。
後頭部に感じる柔らかい感触。
何事かと刹那は目を開け・・・・・・・・そこに冷たい雫が落ちてきた。

「っな・・・・!?」
「ほら、ちゃんと上のこれ見て?」
「え・・・・? っうあ!?」

無理に目を開けて状況判断をしようとする刹那に、木乃香はすばやく目薬をさしたのだ。
しばらくして、上手く扱われた事を知る刹那。
少し拗ねたように、木乃香の膝枕から逃げ出した。

「ひ、酷いですよ・・・・お嬢様・・・・」
「せやかて、こうせんとせっちゃん自分でやってしもうて、つまらないやん〜v」
「うぐっ!?」

拗ねる刹那に抱きつく木乃香。
最近我慢していた分が爆発したかのように、木乃香のスキンシップは過剰だった。
刹那はたじたじになりながらも、久しぶりなこの状態に喜びを感じる。

「・・・・龍宮さんや明日菜からきいたえ? 寂しがってたんやってな?」
「さ、寂しくなど・・・・っ・・・・あるかも、しれませんけど・・・・。私、何か気に触る事したでしょうか・・・・?」

29 名前:五月病?[sage] 投稿日:2007/05/28(月) 22:44:36 ID:8GxYaRXE

おずおずと訊ねる刹那。
それに対して、木乃香も少し遠慮しがちに答える。

「せっちゃん、ウチの前では無理してるんかなー思うて。それでちょっと離れてみたんやけど・・・・」
「む、無理なんてしてませんよ! ・・・・むしろ、会えない方が、つらいです!」
「・・・・!」

刹那の答えに木乃香は赤面していた。
しかし刹那は目を閉じているので、木乃香の変化に気がつかない。
そして、ふっと浮かんだ疑問を木乃香に問う。

「それにしても、どうやって部屋に?」
「・・・・龍宮さんと廊下ですれ違ってな、入れてくれたんや。ほんまに気付いてなかったん・・・・?」
「はい・・・・本当にたるんでいたみたいです・・・・」

いくら精神的に病んでいたとはいえ、他者の接近に気付かないとは。
刹那はしばらく消沈していた。
そんな刹那を見て、木乃香が立ち上がる。

「・・・・ええやん、せっちゃんやってたまにはだらけても。ご飯作ったるから、ここでダラダラしとって?」
「そ、そんな・・・・私も手伝い――・・・・っ」
「――ええな? ついて来たらアカンよ?」

硬直した刹那を置いて、木乃香は台所に向かう。
その木乃香の後ろ姿を、刹那はやっと開くようになった目で見つめた。
唇に残った柔らかい感覚・・・・これは――。

30 名前:五月病?[sage] 投稿日:2007/05/28(月) 22:45:41 ID:8GxYaRXE

「――――っ!?」


・・・・五月ももう終わり。
通常より遅く五月病にかかった刹那であったが、どうやらそれもこの日で完治しそうであった。


FIN

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