|
<< 前頁
クラフト 氏
次頁 >>
|
400 名前:週間テーマ? 好き放題[sage] 投稿日:2007/06/21(木) 01:21:27 ID:cnGbh7Os
|
「うぅ・・・・ごめんなさい・・・・」
「せっちゃん、謝りすぎや・・・・たまにはさっきみたいにビシッとしてみ?」
「む、無理です・・・・」
刹那は頭が上がらない。
そんな刹那に木乃香はノートを差し出した。
「これ、今日やった授業の範囲や。先生が授業中に言った事もメモしてあるからな?」
「え? あ・・・・」
「・・・・怒っとっても、やっぱせっちゃんの事しか考えられへんみたい」
先ほどから木乃香が書いていたノートは、刹那の為に作った物だったのだ。
刹那は木乃香の優しさに感激しつつ、そのノートを受け取る。
・・・・木乃香はノートを受け取った刹那を抱き締めた。
「お、お嬢さま・・・・!?」
「ごめんな・・・・せっちゃんが浮気した思うたら、なんや無性に腹立ってもうて・・・・」
「・・・・申し訳ございません」
「せっちゃんやなかったら、こんなに怒らないんやえ?」
せっちゃんは特別なんやから、と木乃香は笑いながら刹那の頭を撫でる。
刹那は大人しく、木乃香の好きなようにさせていた。
「身体はもう大丈夫なん・・・・?」
「まだ少し、だるいのですが・・・・大分良くなりました」
「ザジちゃんは、ウチの大事なせっちゃんを助けてくれたんやね・・・・後でお礼言わなあかんな」
「は、はい・・・・」
"大事なせっちゃん"の部分に照れる刹那。
木乃香はそれに気付いていて、照れて逃げ出さないように抱き締める腕に力を込める。
最初は身体に力が入っていた刹那だったが、時間が経つにつれゆっくりと力を抜いていった。
そしてさほど時間も経たずに聞こえてくる、規則正しい寝息。
|
401 名前:週間テーマ? 好き放題[sage] 投稿日:2007/06/21(木) 01:22:14 ID:cnGbh7Os
|
「まだ疲れてたんやね・・・・」
木乃香はこの時、初めて自覚した。
自分の感情は、刹那によって大きく変化することに。
大きな悲しみから大きな怒りへ、そして大きな罪悪感へ。
刹那の行動は、こんなにも自分に大きな影響を及ぼしていることに。
「ほんまに・・・・疑って、ごめんな・・・・」
木乃香は刹那に囁く。
その声は相手に届いてはいなかったが、きっと木乃香自身の成長に繋がったであろう。
*
「ザジちゃん〜、おる〜?」
「・・・・?」
次の日、木乃香と刹那はザジの部屋に訪れた。
もちろんお礼を言うためである。
「ザジさん、助けてくれてありがとうございました」
「・・・・もう平気・・・・?」
「はい、おかげ様ですっかり良くなりました」
「あー! 木乃香と刹那さんじゃん! 昨日どうしたの〜?」
話の途中で、クラスメートが昨日の騒ぎについて聞き出そうと近づいてくる。
木乃香は刹那を犠牲にして、ザジと話す。
|
402 名前:週間テーマ? 好き放題[sage] 投稿日:2007/06/21(木) 01:23:07 ID:cnGbh7Os
|
「せっちゃんの事助けてくれて、ありがとな」
「・・・・大丈夫、いつもしてることだから・・・・」
「いつも?」
「・・・・犬とか、猫・・・・よくあそこに捨てられてるから・・・・」
つまりザジは、"犬や猫を拾うのと同じ感覚で刹那を拾った"・・・・という事らしい。
結果的にはそれで刹那は助かったのだが、刹那はザジの飼う動物たちと同じ扱いだったと言う事になる。
「ザ、ザジちゃん、それせっちゃんに言ったらあかんえ?」
「・・・・?」
「きっと傷付くと思うし・・・・それにせっちゃんはウチだけの――やからな?」
「・・・・わかった・・・・」
「た、ただいま、戻りました・・・・。あれ、何の話をしてるのですか?」
「ううん、なんでもないえ〜v な、ザジちゃん?」
「・・・・うん・・・・」
刹那は仲間外れにされて、やや不満げの様子。
その刹那の手を木乃香は握って、自室へと歩き出した。
それだけで照れて、不満も言えなくなる刹那。
「ほんでな・・・・これからは、仕事終わったら必ず連絡入れてな」
「え? でも遅い時もありますし・・・・」
「ダメ、命令。次行き倒れたら、誰も助けてくれんかもしれへんやろ・・・・」
「・・・・はい、わかりました」
木乃香が刹那の為に書いたノート。
それは役目を終えた今でも、刹那によって大事に保管されている。
もしこれからの道で二人がすれ違いかけても、きっとそのノートの思い出が二人を繋げてくれるであろう。
FIN
|
|
<< 前頁
クラフト 氏
次頁 >>
|