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525 名前:週間テーマ『雨も滴るいい女?』[sage] 投稿日:2007/07/01(日) 04:42:08 ID:RDrLIYGh | ||||
「せっちゃ〜ん!」 「はい、お嬢さ・・・・うぐっ!?」 ドゴッ! 抱き付く、といえば聞こえはいいけれど。 実際は側面からの体当たり。 それでもせっちゃんは私を受け止めてくれた。 「・・・・っ・・・・な、なんでしょう?」 「あのな・・・・」 痛かったはずなのに、せっちゃんは何事もなかったかのように話を聞いてくれる。 本当に大した事ない用事でも、怒る事もなかった。 それはとても嬉しいけれど・・・・。 「せっちゃん」 「あ、なんでしょ――ぶっ」 「せっちゃーん」 「はい、っぐ!?」 「せっちゃーん!」 「――うっ!?」 最近の私は、過剰すぎるこのスキンシップを繰り返していた。 「・・・・せっちゃ――」 「――はい、ストップ!」 しばらく経ってからもう一度体当たりしに行こうとした所を、明日菜に止められた。 | ||||
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526 名前:週間テーマ『雨も滴るいい女?』[sage] 投稿日:2007/07/01(日) 04:43:11 ID:RDrLIYGh | ||||
「ちょっと最近、刹那さんに攻撃しすぎじゃない?」 「・・・・そうかなぁ? 避けへん方が悪い気もするえ・・・・?」 そう、せっちゃんは"避ける"わけでも"防ぐ"わけでもなく、"受ける"。 国語の授業でハルナが"攻めの反対語は受け"って答えて先生に注意されてたけど、それもあながち間違ってないなぁと思ってしまうほど。 だけど私には・・・・それが不満。 「やっぱウチの事、"主人"やと思うてるからかな・・・・」 「うーん、刹那さんは優しいから・・・・」 それは認める。 けれどこれだけ頻繁に体当たりしてるのに・・・・全部受けるなんて、せっちゃんには痛点がないのかと疑いたくなる。 「とりあえず、もう攻撃するのやめなさいよ? 刹那さんが可哀想じゃない」 「は〜い・・・・」 * その日の夜。 今日もせっちゃんはお仕事で、消灯時間になっても寮にはいない。 ――ザー・・・・ 雨が降り出してきた。 この時期・・・・せっちゃんのお仕事は大変みたいで、いつもずぶ濡れで帰ってきてるみたいだった。 今日もずぶ濡れになって戻ってくるに違いない。 本当なら迎えに行きたいんだけど、それはダメだと堅く言い付けられてた。 いつも帰りは遅くなるから・・・・って。 | ||||
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527 名前:週間テーマ『雨も滴るいい女?』[sage] 投稿日:2007/07/01(日) 04:44:34 ID:RDrLIYGh | ||||
「・・・・ぐー」 「・・・・すぅ」 「んが〜・・・・」 同居人たちは朝が早い為に、すでに夢の中。 仲良く同じベッドで寝てる。 はたから見たら本当に仲の良い姉弟で・・・・たまに、疎外感に襲われる。 「・・・・雨、どれぐらい降ってるんやろ?」 誰に言うわけでもなく、ポツリと独り言。 そして私は傘も持たずに部屋を出た。 * 向かうは屋上。 雨を感じるには、ここが一番だから。 ――ザーッ 雨はますます酷くなってくる。 天気予報だと朝には止むらしいけれど、これだと明日は湿気がひどくて過ごし難いかも。 雨を全身に受けながら、手すりに寄りかかって世界樹を見る。 ライトアップされた世界樹は、雨夜の日であるにもかかわらず幻想的だった。 もしも私にせっちゃんみたいな翼があれば・・・・。 「あそこまで、飛んで行ったんになぁ・・・・あっ」 | ||||
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