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555 名前:週間テーマ 『蛍』[sage] 投稿日:2007/07/03(火) 02:21:30 ID:EUxEhOPx | ||||
「麻帆良でも蛍見れるん?」 「そうなんだよ! 知ってた知ってた?」 「さんぽ部の秘密の場所があるんです〜」 木乃香は鳴滝双子と蛍について話していた。 どうやら、さんぽ部伝統の蛍狩りの地が、この麻帆良にあるらしい。 「・・・・楓がいつも修行してるところか?」 「そうでござる。あそこで修行するようになってから、毎年見てるでござるよ」 刹那は"なるほど"と頷いた。 今木乃香と刹那は、楓と鳴滝双子の部屋に遊びに来ている。 最初は刹那と楓だけが仕事の打ち合わせをする予定だったのだが、予定より早く双子が帰ってきてしまったのだ。 それにより今回の打ち合わせは流しとなり、木乃香も遊びに来た。 「そんでね、明日3-Aのみんなと行く予定なんだ!」 「ほえ? 明日は肝試しやないの?」 「それは嘘ですー。肝試しって言っといて、蛍でみんなを驚かせるです!」 「みんなには内緒だよ、木乃香!」 「しゃーないなぁ」 イタズラ好きの小さな友人たち――とは言っても、同い年なのだが――に囲まれて、木乃香は苦笑い。 その姿は母性に溢れた母親の様だった。 それを見守る刹那と楓は、さしずめ我が子を見守る父親と言ったところか。 「・・・・刹那もいくでござるか?」 「私は・・・・別に仕事も無いが・・・・」 「たまには息抜きでもしたらどうでござるか? なかなか綺麗でござるよ」 「ふ、む・・・・」 | ||||
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556 名前:週間テーマ 『蛍』[sage] 投稿日:2007/07/03(火) 02:23:35 ID:EUxEhOPx | ||||
刹那は木乃香の方を見る。 この様子だと、木乃香も蛍を見に行くと言い出すであろう。 木乃香が行くのであれば図書館組、明日菜、その他諸々・・・・クラスのほとんどがくるに違いない。 刹那は楓だけに聞こえる声で話し出す。 「・・・・いや、私も楓と一緒に見張りでもしよう」 「気遣い無用でござるよ? 別に魔物の森に踏み込むわけでもござらんし」 「でもあそこはクマも出るんだろう? この様子だと人数的に楓だけでは・・・・」 刹那がいうのは、クラスの安全だった。 いくら魔物がいない森とはいえ、そこは自然の驚異が多く存在するほとんど未開の地。 特に真っ暗闇の中で蛍を見ようというのだから、はぐれればかなりの危険となる。 自由奔放な3-Aだからこそ、一部がしっかりしないと大惨事になりかねないのだ。 「・・・・うーむ、参加人数次第でござるが・・・・」 「遠慮することはない、私も何度もお前には助けられている」 二人はやや引き締まった顔で微笑み合う。 日々の仕事、修学旅行、そして麻帆良祭での戦いで、二人の仲間意識はより強いモノとなっていた。 「――せっちゃーん!」 「ぶっ!?」 「楓姉! なに話してるの!?」 「ですかー!?」 「これこれ、落ち着くでござるよ」 絆を確かめ合ってる刹那と楓に、木乃香と双子が乱入してきた。 刹那は木乃香に抱きつかれて赤面し、楓は暴れる双子を慣れた様子でなだめる。 どうやらこういった方面では、楓の方が慣れているようだ。 | ||||
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557 名前:週間テーマ 『蛍』[sage] 投稿日:2007/07/03(火) 02:25:36 ID:EUxEhOPx | ||||
「せっちゃんも蛍見にいくやろ〜?」 「あ、私は・・・・すみませんが、今回は・・・・」 「えー、刹那さんこれないですか〜?」 「楓姉もだめなんだよね・・・・ちぇ、なんかつまんないなぁ」 「拙者らの分も楽しんでくるでござるよ、ニンニン♪」 「・・・・うん、そやね」 楓の説得に、木乃香も渋々承知する。 しかし木乃香のその目はかなり不満そうで、黒いオーラに楓だけが冷や汗を流すのであった。 * そして当日、天気も好調。 夜だというのに、やはり3-Aはほぼ全員揃っていた。 みんな肝試しと聞かされている為、一部の顔は恐怖でこわばり、その他はどうやってみんなを驚かせようかと思考を巡らせていた。 「じゃあ3-A恒例の夏イベント、肝試し!」 「ルールを説明しますです〜」 主催があの鳴滝双子という事だけあり、ほぼクラス全体が"何か仕掛けがあるだろう"と身構える。 もちろん仕掛けを知っている木乃香は余裕の顔。 「肝試しねぇ・・・・毎年よくやるわ・・・・」 「アスナはお化け怖くないもんなぁ」 「そういうこのかも、今回は意外と平気そうね」 「んー、なんでやろね? 魔法覚えたからかなぁ?」 今年はネタを知っているからなのだが、あえてここは誤魔化した。 ハルナも傍にいるために、下手をすれば開催前にネタがばれてしまう。 双子との友情の為にも、木乃香は口を紡ぐしかなかった。 | ||||
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