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849 名前:フレンチキス[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 23:37:53 ID:UIQYQ7b6

「おおお、お嬢様!? お戯れはほどほどに――!?」
「からかってへんえ・・・・本気や・・・・」
「あ、・・・・お、お嬢様・・・・!」

ついに刹那は壁に追い込まれ、木乃香に捕まった。
刹那を捕らえた木乃香は、両手で刹那の頭を固定して顔を近づける。
刹那は高鳴る鼓動を感じながらも、身動きがとれないでいた。

「・・・・っ」
「せっちゃん・・・・」

震える刹那をなだめる様に、木乃香は刹那の頬を優しく撫でる。
そして最後の距離を詰めようとした。
唇が触れるまで・・・・後、数センチ。

「――あ・・・・、だ・・・・ダメです!!」
「ひゃっ・・・・」

あとわずかという距離で、刹那が木乃香の接近を拒んだ。
木乃香の肩を押し、距離を一気に離す。
刹那の本気の抵抗に、木乃香は押し切る事ができなかった。

「せっちゃん・・・・どうして?」
「わ、私たちは、女の子同士です!」
「そんなん関係ないやん? せっちゃんやて、してみたいんやろ・・・・?」
「で、でも・・・・ダメなんです!」

刹那は剣士の身のこなしで逃げ出し、木乃香に背を向けた。
この刹那の拒絶に、木乃香は迫るのを止める。
それでも手は逃がすまいと、刹那の服の袖を掴んでいた。

850 名前:フレンチキス[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 23:39:00 ID:UIQYQ7b6

「ダメなんやね・・・・」
「・・・・・・・・は、い・・・・」
「嫌やないん・・・・やね?」
「え・・・・?」

一瞬刹那は違いがわからず、きょとんとした。
しかし考えてみれば、確かに大きな違いだ。
同じ拒絶でもこの違いは大きい。

「・・・・嫌じゃ、ないです・・・・」
「ほんま?」
「はい・・・・でも、その・・・・」
「・・・・よかったぁ・・・・ならええ・・・・」
「え?」

刹那は顔だけを木乃香に向ける。
木乃香は少し悔しそうな顔をしていたが、傷付いた様子はなかった。
木乃香は木乃香なりに、刹那を理解したようだ。
刹那を後ろから抱きしめて、安堵の吐息を漏らした。

「せっちゃんがいいって言うてくれるの・・・・ウチ、まっとるえ」
「・・・・え、あの・・・・」
「でもな、ウチは・・・・はよパクテオーしたい。もちろん、ディープの方でな・・・・」
「うっ・・・・」

いきなりの難易度に、刹那は言葉を失う。
それでも木乃香はどこか嬉しそうだった。
刹那はその笑顔に固まった。

(私の考え方・・・・やっぱり古いのか・・・・?)

851 名前:フレンチキス[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 23:44:29 ID:UIQYQ7b6

背後に感じる木乃香の温もり。
そしてその無垢な笑顔に、刹那は申し訳ないと思っていた。
今一歩踏み出せない自分のせいで不安にさせてしまっていると、刹那は気付いていたのだから。

*

「本屋本屋〜」
「教会の神父さんのところ行ってきたって? どうだった?」
「スゴクためになったよー。神父さんもいい人で――・・」

麻帆良祭明け早々、3−Aではなにやら怪しげな話題が広がっていた。
それは、春日美空が勤めている教会の懺悔室の話題。
かなり良い評判らしい。
しかもその情報の出が宮崎のどかならば、信用もできるというもの。

「そーゆ、いいんちょはあるですかー?」
「ホホホ、当然ありますわよ。悩みくらい!」
「・・・・」

刹那もちょうど、その話題の時に教室にいた。
刹那は先日の木乃香とのやり取りで悩んでいたため、この話題に興味を持つ。

(懺悔・・・・相談でもいいのだろうか・・・・)

普段はこういった事に頼らない刹那。
しかしつい先日に、自身では解決できない問題にぶつかってしまった。
早めに解決したい事でもあったので、まさに神の意見にもすがる思いだったのだ。

852 名前:フレンチキス[sage] 投稿日:2007/09/28(金) 23:46:18 ID:UIQYQ7b6

この後刹那は悩んだ結果、懺悔室を訪れる事となる。
懺悔室の神父がクラスメイトだと気付く事もできずに。
その神父に豪放磊落にキスを薦められたのは、言うまでもないだろう。


FIN

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