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14 名前:無くした物[sage] 投稿日:2007/09/29(土) 20:01:20 ID:ogY01DJh

ズキッと胸が痛んだ。
まるで、私の事を言われているかのように。
それに気付かないお嬢様は続ける。

「それでクーちゃんはな、それで悩んでるときに・・・・超さんに教えてもらったんやって」
「超さんに?」
「そや。クーちゃんに欠けてたものは"協調性"やて」
「・・・・協調性・・・・?」

協調性・・・・誰かと一緒に何かを成し遂げようとする事。
それがクーには欠けていた・・・・。
・・・・いや、クーだけじゃない。
きっと3−Aで武の道を行く人は皆、それに欠けている。
強くなるために、他人と一線を引いていたから。
クーも楓も・・・・そして――。

「せっちゃんもやろ?」
「う・・・・」
「せっちゃんはウチの為に・・・・ずっと一人で戦ってくれとった・・・・」

心を読まれたかのように、指摘された。
確かに私は、協調性がないだろう。
一つの目的に囚われ、お嬢様を孤独にさせてしまっているのがその証拠だ。

『――もう少し、カバーをさせろ』

仕事仲間である龍宮にも、そう言われた事がある。
昔ミニステル・マギであった彼女は、協調性の大切さを知っていたのかもしれない。
でもその時の私は、"個々が強ければ問題ない"と思っていた。
だから龍宮のその言葉を軽く流した覚えがある。

15 名前:無くした物[sage] 投稿日:2007/09/29(土) 20:02:38 ID:ogY01DJh

「一人・・・・確かに私は、一人で戦っていました・・・・」
「それは昔のせっちゃんや」
「むかし・・・・」
「今は仲間がおる。・・・・ウチも、おる」

・・・・修学旅行の時に初めて私は、素人である明日菜さんを守りながら共に戦った。
でも不思議とそれが足手まといだとは思わなかったし、むしろ逆に心強かった。
そして麻帆良祭でもネギ先生や明日菜さんとカバーし合い、今までと違った強さを感じた。
だから龍宮やお嬢様の言っている事が、今では少し理解する事ができる。

「せやから次からは、みんなで戦わへん?」
「みんな、で・・・・」
「一人やと出ない力、出るかもしれへんえ〜?」

お嬢様はまた、いつもの笑顔でそう言った。
私はそんなお嬢様に・・・・抱きつく事はしないけれど、少し体重を預ける。
お嬢様は優しく抱いてくれた。

「私も・・・・強くなれるでしょうか?」
「もちろんや! ウチとせっちゃんが揃えば、怖いもん無しやえ!」
「・・・・お嬢様・・・・」
「せやから・・・・な? 一緒にがんばろなv」

あぁ、本当にお嬢様は素晴らしい。
今までの不安が、お嬢様の言葉でほとんどなくなった。
ほんの気休め程度のものかも知れないけれど、私もまだ強くなれる・・・・そんな気がしてきた。

「ほな、早速いこか!」
「え、どこに?」
「みんなを見に、お散歩や。せっちゃんも今日は修行お休みして、ついてきてな!」

16 名前:無くした物[sage] 投稿日:2007/09/29(土) 20:04:47 ID:ogY01DJh

お嬢様はそう言って私の頭をポンッと叩くと、戻りの魔方陣に向かって走り出した。
私は立て掛けてあった夕凪を手に、その後を追おうとする。

――ズキッ

・・・・あぁ、怪我をしてたんだっけ。
右手で夕凪を掴んだとき、鈍い痛みが走った。
お嬢様と話をしていてすっかり忘れていた。
これは正直に、言うべきだろうか・・・・。

「せっちゃん、はよいこー!」
「あ、はい、お嬢様!」

結局私は怪我の事を言い出せずに、お嬢様と"仲間"の成長を見てまわった。

「・・・・って、わあ? せっちゃんも怪我しとるん!?」

途中で右手の怪我が見つかって、お嬢様に――されたことは・・・・また別の話。

FIN

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