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271 名前:拒絶 下[sage] 投稿日:2007/10/20(土) 02:21:14 ID:OB9dZ/r/ | ||||
「ぐぅっ・・・・!」 一瞬傷に痛みが走ったような気がして、私は飛び起きた。 でも実際の痛みはほとんどない。 痛みを感じたような気がしたのは、先ほどの夢のせいだったのだろう。 「・・・・龍宮?」 同居人の姿はなかった。 仕事だろうか? 代わりに部屋の中心のテーブルには、赤い布と一緒に夕凪が置かれている。 「夕凪・・・・龍宮が持っていたのか・・・・」 私は何も考えずに夕凪だけを手に取る。 しかしそれになぜか違和感を感じて、鞘から抜いた。 「・・・・っ!」 夕凪の刃は・・・・紅で染まっていた。 いや、よく見ると刃だけでない。 布で隠れていた柄の部分も紅に染まっている。 「・・・・血・・・・」 魔物は死すると屍も残さず消滅する。 血なども残らない。 だから考えられるのは一つだけ・・・・私の血、だ・・・・。 | ||||
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272 名前:拒絶 下[sage] 投稿日:2007/10/20(土) 02:23:06 ID:OB9dZ/r/ | ||||
――ズキッ 一瞬傷が痛み、先ほどの夢が記憶として戻ってくる。 怯えたお嬢様の顔。 放ってしまった言葉。 『なぜ来たん、このちゃん・・・・大人しく待ってて言うたはずやん!』 『ええから、ここで待っとって!』 ・・・・夕凪と一緒に置いてあった布に目が向く。 あぁ、これはあの時私が着ていた制服のシャツじゃないか。 真っ赤に染まっていて気付かなかった。 血に塗れた私に手を払い除けられ、怒鳴られ・・・・面会まで拒否されたお嬢様は、どんな思いだったのだろう。 ・・・・死を目前にしていたからとはいえ、大切な人になんて事をしてしまったんだ。 「このちゃん・・・・!」 傷が・・・・胸が、痛む。 もうジッとなんてしていられなかった。 夕凪を置き、新しい制服に着替えてお嬢様の部屋へと走った。 ドンドンッ! 早朝である事も忘れ、力の限りドアをノックする。 しばらくした後、寝起きであろう明日菜さんがドアを開けてくれた。 「誰・・・・こんな朝早くに・・・・って、刹那さん!?」 「明日菜さん、お嬢様は・・・・お嬢様に、お話が・・・・っつぅ・・・・」 「ちょ、刹那さん!?」 | ||||
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273 名前:拒絶 下[sage] 投稿日:2007/10/20(土) 02:25:21 ID:OB9dZ/r/ | ||||
大慌てで走ってきたので、傷口が少し開いてしまったようだ。 痛みでよろけたところを明日菜さんが支えてくれた。 「木乃香は今、学園長の所にいるのよ・・・・」 「そ、そうなのですか・・・・」 「部屋で待ってて、連絡するから」 ただ事じゃないと察してくれた明日菜さんは、私を部屋に入れてくれた。 私をソファーに寝かせると、携帯電話を手にとる。 「もしもし木乃香? 今ね、刹那さんが――」 今電話の先に、お嬢様がいるのだろう。 昨日電話した時、明日菜さん側でありたかった・・・・。 「いてて・・・・」 傷口に違和感を感じる。 身を起こしてパジャマの前をあけると、包帯に血が滲んでいた。 本格的に傷が開いてしまったらしく、下手をすればまた病院送りになるだろう。 いや、それとは別に・・・・お嬢様が来るのにこの状態で会うのは、少々気が引ける。 「・・・・ネギ先生、ちょっとよろしいですか?」 「はい、なんですか・・・・って刹那さん、血が!」 「傷口が開いてしまったようで・・・・でも大丈夫です。それでその、救急箱がありましたら――」 「――どこが大丈夫なのよ!」 「わわっ!?」 ネギ先生に救急箱を借りようとしたら、電話を終えた明日菜さんに怒鳴られた。 明日菜さんの剣幕に驚き、バランスを崩してソファーに再び倒れ込む。 ネギ先生が慌てて明日菜さんを抑えた。 | ||||
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