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373 名前:ハロウィン[sage] 投稿日:2007/10/31(水) 22:32:49 ID:2o9ZVSL5

「トリック・オア・トリート〜! ネギくーんv」
「わわ、まきえさん!?」
「あ、今日はハロウィンやったなー。すっかり忘れとったわ」
「・・・・そんなイベントもあったわね」

10月31日、ハロウィン。
子供達が『トリック・オア・トリート』と言って、大人にお菓子をもらうイベントである。
しかしこの部屋の住人たちはすっかり忘れていたようで、お菓子を持ち合わせてなかった。

「お菓子用意してへんなぁ・・・・そや、ネギ君がお菓子もろてきたらどやろ?」
「え? 僕がですか?」
「いいんじゃない? 元々お子ちゃまのイベントなんだし・・・・」
「ネギ君、一緒にいこ!」
「わわ!?」

お菓子はなかったがまき絵は悪戯はせず、ネギを連れ去っていく。
木乃香のとっさの危機回避だったが、どうやらまき絵はうまく釣れてくれたようだ。
明日菜もなんだかんだ文句をいいながらも、保護者としてネギを追いかけていった。

「ハロウィンかぁ・・・・ウチもお出かけしよかな」

楽しそうなクラスメイト達に刺激されて、木乃香も子供心をくすぐられる。
外はもう冬も近い。
さらに夜で余計に気温も低いので、木乃香はしっかりと上着を着込んで外に出た。


374 名前:ハロウィン[sage] 投稿日:2007/10/31(水) 22:34:37 ID:2o9ZVSL5

――ピーンポーン♪

「・・・・誰だ?」
「あ、近衛木乃香ですー」
「近衛か・・・・刹那なら今取り込み中だ」

木乃香が刹那の部屋に行くや否や、即答で返された。
どうやら刹那はちょうど仕事から帰ってきたばかりのようで、シャワーを浴びているらしい。

「ハロウィンやから遊びにきたんやけどな」
「ハロウィンとは懐かしいな。昔アメリカの方に行った時は・・・・」
「なぁ・・・・龍宮さんて、ほんまに中学生なん・・・・?」
「ふふ、老けて見えるか?」

穏やかな表情で話す二人。
木乃香と龍宮は3年間同じクラスだったが、あまり話す事がなかった。
龍宮が大人っぽくて近づき難い雰囲気であると同時に、木乃香と疎遠状態だった刹那と寮友だったからである。
しかし木乃香と刹那が仲直りしたことで、木乃香も龍宮と自然に話すようになっていた。

「あ、本題忘れとった。トリック・オア・トリート〜!」
「お菓子か・・・・あいにくこの部屋にはないな」
「そうなんやー、ほんなら悪戯してまおうかな〜?」
「それは困ったな・・・・おっと」

ガチャっと部屋の奥から音が聞こえた。
どうやらもう一人の住人のようだ。
龍宮は木乃香に一言言うと、部屋の奥の方を向いた。


375 名前:ハロウィン[sage] 投稿日:2007/10/31(水) 22:35:34 ID:2o9ZVSL5

「・・・・ずいぶんとゆっくりだったじゃないか」
「身体が冷えてたからな・・・・それより、お客さんか?」

刹那はもう寝るだけのつもりだったらしく、パジャマの格好で玄関の方を見ている。
ちなみに龍宮が壁となっていて、刹那から木乃香は見えていない。

「あぁ・・・・そうだ、こっちへこい」
「ん?」

龍宮は手招きして刹那を呼ぶ。
来客が誰かわからない刹那は、疑問を感じながらも玄関に近づいた。

「なんだ?」
「・・・・お菓子はないが、これをやろう」
「へ?」
「え・・・・あ、お嬢さま!? ・・・・わっ!?」

龍宮は仔猫をつまみ出すかのように、刹那を外に出した。
バランスを崩した刹那を、木乃香が抱き止める。
ふわりとした風呂上りの良い香りが、木乃香の鼻をくすぐった。

「な、なにを・・・・というかお嬢様すみません、気付かなくて!」
「ウチは気にしてへんけど・・・・ほんまにせっちゃん、もろてええの?」
「え、私・・・・? 何の事で・・・・?」
「あぁ、もってけ」
「ちょ、龍宮!?」

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