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232 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 01:02:16 ID:z1htO2sO
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「だってそのあと携帯で…。」
「あれは,龍宮さんの分までないから一緒に来たらあかんよって言おうと思っただけなんよ〜。」
でも電池切れてしもうて,かけられんかったし,その後もう繋がらんかったしな,とけろっとした顔で次々と木乃香は真実を明らかにする。
お嬢様の衝撃的な発言を聞くうちに,涙ぐむまで思い詰めていた自分は,
大きな間違いを犯していることに気付いた。
「それじゃ……全部…勘違い……ですか?」
「なんかそうみたいやなw」
そうお嬢様に言われて,改めて自分の勘違いを認識すると,私の顔面は”カ−−−−−−!”
という効果音が適切なほど紅潮してしまった。文字通り,顔から火が出そうなほど熱い。
もうあんみつどころの騒ぎではない。どうしたら自分の醜態を取り繕えるのか。
お嬢様を腕に抱きながら,しばらく硬直しているとお嬢様から不穏なオーラが漂ってきた。
「……でも,せっちゃんがまさか”捨てないで”って泣いて立ってるとは思わんかったぇ。」
「//////……無邪気に言わないで下さい。真剣だったんですから。」
「でも,かいかったぇ。せっちゃん。」
そう言うとお嬢様は,私の両頬に手を添え,私の涙を唇で拭われる。
そして涙の跡に沿って滑っていく。優しく宥めるように運ばれてくるお嬢様の唇の感触。
流した涙の数だけキスの雨を降らすかのように…。
ああ,やはり捕らわれているのだ。お嬢様の優しさに…。
「…うちがせっちゃんのこと捨てるなんてあるわけないやろ。」
「……お…お嬢様……。」
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233 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 01:03:48 ID:z1htO2sO
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そう言って,私の唇にそっと触れる,間違いなくそれはお嬢様の唇。
私の不安を取り除くように優しく丹念に丹念に,私を味わい尽くしていく。
お嬢様とのキスに夢中になりかけたその時,奥からアスナさんの声が聞こえた。
「木乃香〜。刹那さんだったの〜?」
その声で我を取り戻した。折角の優しいキスだったがお嬢様に行為の中止を求めた。
「あっアスナさんに見られちゃいますよ。お止めくださいっ。」
「ええから。」
まったく動じない冷静なお嬢様の対応に私の制止は効果を失ってしまった。
しかし,それでもやはり他人の目を気にしないわけにはいかない。
「ダメですって,お嬢様……あっ。」
更に深くねじ込まれるお嬢様の舌先。ダメだ…口の中の敏感な部分ももう既に知り尽くされている。
アスナさんの足音が聞こえる。
もう後少しでアスナさんがここへ来てしまう!
「止めてくださ……んんんっ!」
アスナさんがお嬢様の姿を見つけたとき,それは,私が木乃香お嬢様に深く口付けられて身動きが取れなくなってしまった瞬間だった。
「!!-------------。」
事情を良く知らないアスナさんは,数秒フリーズしていたようだった。
無論私も見られたショックにフリーズ状態だった。
アスナさんに見られた恥ずかしさと,自分の醜態とが私の頭の上をぐるぐると回り,昂ぶった感情の結果は杜撰なものだった。
ぽろぽろと涙をこぼして,木乃香お嬢様に力なく訴える自分がいた。
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234 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 01:04:46 ID:z1htO2sO
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「あちゃ。見られてもうたか。」
玄関口での騒ぎを聞いて,もう一人の同居人が顔を見せた。
「あれ?どうしたんですか皆さん。刹那さん泣いてますよ。何かあったんですか?」
「せっちゃん。堪忍してや。もう泣かんと。ね♥」
「ひっく,このちゃ…だめ…ゆうたのに…ひっく。」
どうにも格好がつかなかったが,お嬢様は私を宥めながら部屋の中へと連れていって下さった。
◇◆◇
「あんなぁ,うちせっちゃんのために愛を込めて作ったんよw。」
テーブルの上に広げられたのは,どれもハート型をした寒天の数々だった。
呆然とする私を前に,アスナさんは,ぼそっと呟いた。
「………やっぱりね。なんとなく感付いてたわよ。」
「/////……(お嬢様。恥かしくて何も言えません。)」
「そやったん?別に隠しといたわけやないけどな。」
あんみつを味わいながら,お嬢様はあっけらかんとお返事される。
「だって,刹那さん。木乃香最近変なのよ。」
とアスナさんは最近部屋で起こったお嬢様の話題を,延々とお話下さいました。
お部屋でどんなことをなさっているんですか?お嬢様。恥かしすぎて
何も申し上げることができませんよ。
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235 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 01:06:25 ID:z1htO2sO
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「なぁ,せっちゃん。」
折角のお嬢様の手作りデザートを味わおうと,寒天の一つを口に運ぼうとしたとき,
神妙な顔つきのお嬢様に問い掛けられた。
「今回のことは,せっちゃんがうちのこと信じてなかったってことなんよね?」
そんな簡単にうちが「別れる」言うなんて思っとるん?とにこやかな笑顔の裏に
黒いオーラが少し滲んでいたのは気のせいではないだろう。
「…はぁ。お恥かしながら。」
口元に運ぼうとしたスプーンをグラスに戻し,私は視線を下げて頷いた。
だって本当のことだったから。今回の出来事は,自分の常に持っている不安が
何かをきっかけに姿を見せたに過ぎなかったのだ。
今回は,メール,携帯,そして,龍宮の煽り…。
増長した不安に駆られて,自分の思いに自信をなくし,私はお嬢様すら信じていなかった
自分に驚いたのだ。貴方を守ると,貴方を愛していると言ったのに,
私は……お嬢様のことを……。
神妙な面持ちで,今日の自分の軽率な行動をふりかえった。
それは結局,龍宮やお嬢様に迷惑をかけ,仕事の失敗まで引き起こしかねない杜撰な行為だった。
私が自分で反省していることを感じてくださっているのだろう。
お嬢様はそんな私に呆れもせず,甘い囁きで私を誘う。
「……うちのお願い聞いてくれる?」
絶妙なタイミングで繰り出される木乃香の上目使い。
これに打ち勝つ兵はそうはいない。
私も例外ではなかった。
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236 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 01:07:16 ID:z1htO2sO
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「/////……はい。なんなりと。」
「あ〜ん,して♥」
は?私は一瞬お嬢様の言ったことが理解できなかった。
「もう。だから,あ〜ん,してや♥」
「ちょ,お,お嬢様。ア,アスナさんもネギ先生もいるんですよ!」
これはきっとお嬢様からのおしおきだ。お嬢様はご存知なのだ。
私がこういうことを人前で披露するのが人一倍苦手だということを。
「ええやん。減るもんやないし〜。」
「わっ私の羞恥心は減ります。」
結局私は木乃香お嬢様に言いくるめられて,用意していただいたあんみつを全部お嬢様に食べさせていただく羽目になった。
私の羞恥心が削られていく間に両サイドから聞こえてくる一言。
「この二人,バカップルね。」
「そうですね。」
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237 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 01:08:36 ID:z1htO2sO
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後日談
刹那「お嬢様。なんであんみつなのに龍宮を誘ってはいけなかったんですか?
無いって言ってた割に量はあったと思うんですが。」
木乃香「せっちゃんが見られた無いんやないかとおもてなw」
刹那「何をですか?」
木乃香「あ〜ん,や♥」
刹那「/////(確信犯だったんですね。)//////」
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