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245 名前:1/6[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 14:08:58 ID:z1htO2sO
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「木乃香やけど,せっちゃんおる?」
いつものようにせっちゃんの部屋に顔を出す。
普段なら,龍宮さんは銃の手入れを,せっちゃんは夕凪のお手入れをしている。
でも今日は少し様子が違ってた。
「近衛か,…静かにしてやってくれ。」
「どうかしたん?」
龍宮さんは”しーっ”と口の前に指を立てて,声を出さないようにと
ジェスチャーをとっていた。うちも釣られて声を潜めて龍宮さんと言葉を交わす。
「刹那がな,今調度昼寝にしはじめたところなんだ。」
せっちゃんがお昼寝なんて珍しいこともあるもんやね?そう思ってせっちゃんが
部屋のどこににおるんか目で追ってみた。あれ?ベッドにはおらん。
部屋のぐるりに視線を巡らすと,……おった。テーブルの脇でクッション枕にしとる。
「私はちょっと出かけてくるから,近衛,刹那のこと見ててやってくれ。」
龍宮さんのお願いに軽く頷いて,部屋から見送ったけど,もう外には楓さんがお迎えに来てた。
いつもとあんまりかわらんように見えたけど,今日の龍宮さん。何かお洒落やったな。
喋る人がおらんようになって,せっちゃんの部屋には静寂が訪れた。
時々聞こえてくるのは,せっちゃんの寝息と衣ずれの音。
うちは部屋に上がってせっちゃんの様子を窺った。
(わぁ。ほんまによう寝とるわ。)
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246 名前:2/6[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 14:10:27 ID:z1htO2sO
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すぅすぅと軽い寝息が聞こえる。せっちゃんとしては珍しい格好やな。
サファリシャツにジョギングパンツか。今日はいい天気やもんなぁ。
でも”あんよ”がとってもセクシーやw。
少し汗ばむ手前くらいの調度良い初夏の空気の中に,刹那の脚線美は惜しげもなく晒されてた。
龍宮が開けたのだろうか。窓からは心地良い風が入ってくる。さわさわと新緑の匂いを
ふんだんに取りいれたそよ風が,木乃香と刹那の頬を撫でる。
(穏やかやな。時間が止まっとるみたいや。)
せっちゃんの寝顔と柔らかい空気に包まれて,なんか気持ちが休まった。
なんやリッラクスした気分になって,うちは持ってきた荷物を広げた。
そっと,そぅっと。せっちゃんを起さんように…。
うちが手にとってるんは,和服の布地,取り分け夏らしい色合いを選んだ。
夏祭りのために用意した浴衣だ。布地にはまだ仕立て用の白いしつけ糸が施してある。
「……ん………」
なんや,まだ寝とんのか。うちは起きたんかと思ったえ。せっちゃんはもぞもぞと
うちの方へ体を向けるように寝返りを打った。
邪気のない寝顔…。うちを惹きつけて止まない愛しい人…。うちは浴衣を元へ戻すと,
せっちゃんの顔がよう見えるように隣に寝転がった。
可愛ええなぁ,せっちゃん。こないな顔してても,せっちゃんはうちよりも
ずっと,ずぅっと強いんやもんな。うちもせっちゃんのこと守ってあげたいのに…。
最近退魔の仕事が急がしいゆうてたけど、そのせいで十分休めてないんやろな。
うちが……もっとせっちゃんのためにしてあげられることないんかな……。
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247 名前:3/6[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 14:11:35 ID:z1htO2sO
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うちが色々と思いを巡らせていると,せっちゃんの目がゆっくり開いた。
「……ふぁ?……お……嬢様?」
その寝ぼけた様子が,ほんまに可愛らしゅうて,思わずうち,お目覚めのキスしてもうたわ。
「おはよーさんやね。せっちゃん♪」
寝ぼけている間の目覚めのキスは効果絶大だったみたいや。目の前にいるうちのこと確認すると,
慌てて飛び起きて,後退りしおった。
「お…おじょ…おじょ…おじょうさま…なんで…ここに?」
動揺するせっちゃんがまた可愛らしいなぁ。うちの前だけで見せてくれるせっちゃんの素顔。
本当は,辛いときや苦しいときも一緒に共有したいんやけどな。
せっちゃんがうちに安らぎを求めとる間は,うちがせっちゃんのこと癒してあげるわ。
「う〜ん。せっちゃんの寝顔観察やな。」
うちは力一杯すっとぼけた。そして後退ったせっちゃんの傍に寄り添おうと近付いたんや。
「せっちゃんは照れ屋さんやな。他に誰もおらんぇ。うちに甘えてくれてもええやん。」
そういってせっちゃんの頭を抱えてうちの胸元に引き寄せる。せっちゃんも観念したみたい。
うちに頭抱え込まれたまま,大人しく擦り寄ってきよる。
「疲れとるん?」
「……ちょっとだけ……ですが……。」
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