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248 名前:4/6[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 14:12:51 ID:z1htO2sO
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居心地よさそうに鼻先をうちに摺り寄せてくるせっちゃんは,子犬みたいに可愛らしい。
「もうちょっと……寝ててもええよ?」
「いえ……。」
せっちゃんはうちの背中に腕を回して,逆にうちのことを引き寄せる。
「もう少し……こうしていてもいいですか?」
それに応えるように今度はうちがせっちゃんに擦り寄った。
◇◆◇
どれくらいそうしていたのだろう。初夏の穏やかな空気の中でせっちゃんと抱き締めあって
温もりを共有した。何も言ってくれるわけやないけど,うちのこと必要としててくれるゆう
のはわかる。うちはもっと素肌で感じあってもええと思うとるんやけど。
「……ありがとうございました。」
少し気持ちが落ち着いたのか,せっちゃんはうちにお礼を言う。
そんなこと言わんでもええのに。でも晴々としたせっちゃんの顔を見とると,
なんかちょっと恥かしくなってしもうて,うちは話題を換えた。
「せや。浴衣合わせてみてや。夏祭りんとき一緒に着よ♪」
うちはせっちゃんの手を引いて立たせ,せっちゃんのための浴衣を合わせる。
うちに甘えてくれへんせっちゃんにちょっと寂しく思ったけど,実際甘えられると
なんや照れてしまうんよ。そんな自分の気持ちを誤魔化すみたいに,てきぱきと
せっちゃんに浴衣を着せていった。
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249 名前:5/6[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 14:14:12 ID:z1htO2sO
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「っ………。(うちの見立ては)完璧や。」
せっちゃんの女性らしさを存分に引き出す,ちょっとお淑やかな色目…。
可憐な花を連想させる佇まい…。
うち,思わず見とれてもうた……。
「/////……似合いますか?」
恥かしそうにしながら,せっちゃんはうちの目の前で一回転して見せた。
やっぱりせっちゃんやて女の子やね。気に入ってもらえたみたいや。
ではお嬢様も,そう言ってせっちゃんはうちに浴衣を着せる。
お互い手馴れたもんや。
「はい,できあがり。」
うちも和服美人に変身する。二人で並ぶと,背景に百合が似合いそうや。
「楽しみやね。夏祭り。」
「楽しみですね。」
せっちゃんにそう言ってにっこり微笑みかけると,せっちゃんも本当に嬉しそうに
にっこりと微笑み返してくれた。また一緒に夏祭りに行けることがこんなに嬉しい
なんてな。
「……私は,来年も再来年もずっとお嬢様と一緒に夏祭りに行きたいです。」
ちょっとだけ頬を紅く染め,せっちゃんはうちに言うた。
言葉通りの意味でないことは言わなくてもわかる。それじゃうちの言いたいことも
わかってくれるんかな?
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250 名前:6/6[sage] 投稿日:2007/06/09(土) 14:15:00 ID:z1htO2sO
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「ずっと,これからもうちの隣にいてや。」
「…はい。必ず。」
せっちゃんの短い一言。
でもその言葉に秘められた想いは,うちの胸に心地良く染み渡っていった。
すがすがしい空気の中で交わされた,
せっちゃんとうちの永久(とわ)の約束……。
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