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424 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/02/16(木) 18:59:16 ID:TSpuakWO
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「・・・せっちゃん?」
「・・・!!!」
セツナが振り返った先には戸惑いの色を隠せないコノカが立っていた。
『どこから聞かれてしまった!?』
「お嬢様っ・・・申し訳ありません!!」
恥ずかしさのあまり逃げ出したくなるのを抑え、セツナは立ち上がり
コノカへ頭を下げる。
『お嬢様に嫌われてしまう・・お嬢様は私のコト気持ち悪いって思うに違いない・・。
あぁ、お嬢様への気持ちは胸の中に秘めておくはずだったのに・・・』
ぎゅっと目を閉じ、セツナは涙を堪えた。下げた頭の中では後悔する
思いでいっぱいになり、堪えたはずの涙は次々に下へ零れ落ちた。
『私はいつからこんなに弱くなってしまったのだろう。』
今までほとんど涙を見せなかったセツナは自分の弱さに胸が痛んだ。
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425 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/02/16(木) 19:00:10 ID:TSpuakWO
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「せっちゃん・・・泣かんといて」
コノカはセツナの前へ立ち、そっと頬に触れた。
セツナは下げている頭をゆっくり上げると、目の前には微笑むコノカがいた。
「せっちゃん 好きや。大好きや」
照れたような笑顔をセツナに向け、コノカはそう言った。
あまりに唐突なコノカの言葉にセツナは驚き、目を丸くする。
セツナの中で時間が止まった。
「愛してる せっちゃん」
頬を少し赤らめ、コノカはセツナを見つめる。
今まで締め付けていた胸の痛みが消え、痛みの代わりに胸が温かくなるのを
セツナは感じていた。
「私も愛してます。お嬢様」
もう自分の気持ちを胸の中へしまっておこうなどとセツナは思わなかった。
体中に温かい気持ちが満ち溢れ、セツナは笑みを浮かべた。
不意にコノカの顔が近付いて来て、抵抗する間もなく唇が触れた。
「・・・このちゃん!?」
破裂しそうな位、心臓が高鳴った。
セツナは自分の唇にそっと指で触れ、感触を確かめる。
『夢・・・じゃない・・・今、お嬢様の唇・・・が触れ・・・』
「はわわ・・せっちゃん うちのちゅーいややった? うわぁ、泣かんといてぇー」
すっかり涙もろくなってしまったセツナの瞳から、止まったはずの涙が
一粒零れ落ちた。
「嬉し涙です。お嬢様」
赤く目を染めたセツナはそう言ってニッコリ微笑んだ。
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426 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/02/16(木) 19:01:12 ID:TSpuakWO
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「宜しかったんですか?マスター」
「何がだ?茶々丸」
数メートル先にいるコノカとセツナを見つめながら、
エヴァンジェリンは茶々丸に聞き返す。心なしか少し不機嫌そうだ。
「その・・マスターはセツナさんをお気に召していらっしゃったようでしたので・・」
「・・・フン、セツナか。・・・まぁ、良い。あいつとなら痛みも分かち合えるかと
思ったんだが・・・」
ふと、遠い目をしてエヴァンジェリンは過去を見つめる。
思えば長い長い過去には辛い思い出しかなかった。
「私が幸せを求めても無駄だったな。セツナには幸せになる権利がある。」
「マスター・・・その・・・私で宜しければ・・・」
モジモジと茶々丸がエヴァンジェリンへとにじり寄る。
ずっと大きな茶々丸が、エヴァンジェリンの前では不思議と小さく見えた。
「あぁ、いらんいらん。お前にはハカセがいるだろう?」
「ソウトモ。ゴ主人!俺様ガイルゼ!俺様ノコト使ッテモイイゼ!」
下から小さなチャチャゼロが見上げる。
「お前もいらんな。人形の世話になるほど遊び相手に困ってはおらぬ。」
鬱っとおしそうにエヴァンジェリンは手を振った。
「そうだな、坊やがもう少し大きくなるのを気長に待つか。なぁに、待つのには
もうすっかり慣れておる。私には時間がいくらでもあるからな」
さっきよりは少しだけ優しい瞳(め)でエヴァンジェリンは
茶々丸とチャチャゼロ、そして楽しそうに笑うコノカとセツナを見つめた。
−END−
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