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506 名前:星に願いを・・・[sage] 投稿日:2006/02/27(月) 17:45:20 ID:xZ7np3BW
「せっちゃんは1つだけ願いが叶うんやったら何がええ?」
今日コノカお嬢さまに突然そんなコトを聞かれた。
胸の中でいつも願っていた。私の決して叶わない願い事・・・。

507 名前:星に願いを・・・[sage] 投稿日:2006/02/27(月) 18:03:13 ID:xZ7np3BW
「・・・ちゃん?・・・せっちゃん?」
「なっ・・・何でしょう、お嬢様」
「もぉーっ!!何でしょうじゃあらへんで!願い事聞いとったやんかー!」
ぷーっと頬を膨らませてポカポカと軽くコブシを私へと当てる。
時々見せる子供っぽいお嬢様の姿がとても愛おしい。
「すみません」と謝りつつも私は顔がほころんでしまう。
「急に言われても・・・思いつきませんね。お嬢様は何が宜しいんですか?」
「うち?うちはなぁ、せっちゃんと結婚することや!」
満面の笑みでお嬢様は私を見た。
「嬉しいです。お嬢様」
胸にチクンと痛みが走る。
私はちゃんと笑顔で言えているだろうか。お嬢様に怪しまれていないだろうか。

508 名前:星に願いを・・・[sage] 投稿日:2006/02/27(月) 18:25:00 ID:xZ7np3BW
何度目のため息だろう。いつ止まぬかわからないため息をまた一つ吐いた。
「ため息吐くと幸せが逃げるんえ」
悩みゴトを抱え込んでしまう私に、隣でお嬢様はそう言ってくれた。
今、そのお嬢様は隣にはいない。
独りになりたくて・・・独りで考えたくて放課後一人で教室を出た。
『結婚・・・』
キスを交わしたあの日から、お嬢様への気持ちが増すと同時に、悩みゴトも増えた。
叶わぬ願いと巡り回る悩み。原因は私が女だと言うコト。

毎晩願いながら眠りに就いた。
『私を男の子にして下さい。』
毎朝目覚めては落胆した。

口に出さない分、願いは強く、そして大きくなった。
「お嬢様・・・申し訳ありません・・・」

誰にも負けないと思っていた。人一倍努力して手に入れた力。
お嬢様をお守りすると誓ったのに、自分の力の無さに悔し涙を流す日もあった。
お嬢様と二人で出掛けると、幾度となくナンパ目的とわかる声を掛けられた。
私は女として産まれた事を呪った。
男として産まれていれば、お嬢様と二人で歩いていても声を掛けられることはなかっただろう。
外見で敵を威圧することも出来たのかもしれない。
しかし・・・私は女の身体に産まれてきてしまった・・・。

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管理人:虚武僧
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