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765 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/12/30(土) 17:22:05 ID:FWQa6F99
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8
押し黙っているとお嬢様が何か呟いた。
その声は小さくて、
―か細くて。
「………ない」
互いの心拍数すら数えられそうな静かな部屋でも聞き取れない位、小さな声。
「……え?
わ…っ」
お嬢様が突然抱き付いてきた。
しがみつくように首もとに顔をうずめる。
「おじょ…っ…様…」
「…イヤや、ない」
「……は、」
「イヤやない…
…ぎゅって、するのも、キスするのも…」
うずめていた顔を上げて、はっきりと言われた。
「せっちゃんのことは…
―全部、イヤやない」
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766 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/12/30(土) 17:23:59 ID:FWQa6F99
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9
痛い位に伝わった。
がんばって、いっぱいがんばって言ってくれたこと。
だって、声が少し震えてた。
―あなたでも、不安になることがあるの?
いつも、いつも翻弄されてばかりだから。
そう思ったらなんだか、
「…ふ、」
「な、なんで笑うん」
「ごめんなさい、なんだか…うれしくて」
「ここ…笑うとこ違うやろぉ」
ぺちっと額を小突かれる。
「じゃあどうするところですか?」
『せっちゃんから、キスするところ』
さっきと同じ位、小さな声。
でもどうしてかな、はっきりと…聞こえた。
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767 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/12/30(土) 17:25:50 ID:FWQa6F99
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10
「―仰せのままに、
………この、ちゃん」
出来るだけ優しく、その唇に触れた。
「…なんだか昨日と逆やねえ」
昨日の話には弱い。
赤くなりそうな顔面を制御する。
「昨日はせっちゃんがまっかっかやったけど今日はウチやなぁ」
あはは、と照れながら笑う。
「そうですね…」
「ずっと、」
「?」
「せっちゃんと…ずっとこうしてられたら…ええのにな」
その表情に少しだけ…ほんの少し陰りを見つけて、私は右手をお嬢様の左手に重ねた。
「大丈夫ですよ」
特別な日だから、
だから今日は、照れないで、怯えないで伝えてみよう。
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768 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/12/30(土) 17:28:37 ID:FWQa6F99
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11
「私が、あなたを好きだから」
「…だから、大丈夫」
「…うんっ!」
その笑顔は今までで一番綺麗な気がして、そのまま閉じ込めておきたくて、私はもう一度お嬢様を抱きしめた。
おわり
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