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794 名前:名無しさん@秘密の花園[] 投稿日:2006/12/31(日) 17:26:44 ID:ID3TarZp
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7
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部屋を飛び出した木乃香は一人寮の屋上にいた。
当たり前だが誰もいない。静かな夜だった。
空に目をやる。
月が、綺麗だと思った。
―そういえばあの時も月が綺麗だった。
(お嬢様ッ、お嬢様、ご無事ですかっ)
(キレーなハネ…
なんやせっちゃん、天使みたいやなー…)
あの修学旅行からもう、3年もの時間が過ぎていた。
月並な言い方をすれば長かったような、短かったような3年という時。
でも、瞳を閉じれば昨日のことのように思い出せる。
貸し衣装屋で刹那が男装していたこと。
自分を守って凶弾に倒れたこと。
笑って、くれたこと。
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795 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/12/31(日) 17:28:23 ID:ID3TarZp
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8
あの時のせっちゃん…かっこよかったなぁ。
あの修学旅行から、昔みたいに一緒に居てくれるようになったんやっけ。
木乃香は記憶の糸を手繰り寄せる。
2人が初めて気持ちを確認し合ったのは修学旅行から1年経った中3のクリスマスイブ。
その頃にはもうお互い相手を好きだと分かりきっていたから。
木乃香が不意打ちでくらわせたキスに刹那は次の日―よりによってクリスマス当日―熱を出したりした。
刹那はずっと、ずっと一緒に、隣にいてくれると信じて疑いもしなかったあの頃。
あまりにも刹那を理解していなかったあの頃。
木乃香の隣から刹那が消えて、3年が経っていた。
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796 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/12/31(日) 17:30:02 ID:ID3TarZp
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9
「ったく木乃香、どこ行ったのよ〜…」
屋上の木乃香と時を同じくして、アスナは寮の至る所を駆けずり回っていた。
「もう消灯時間とっくに過ぎてるってのにどこ行っちゃったのよ…」
消灯時間とは言え、食堂等の昼間しか使わない施設しか電気は消えていない。
廊下や自販機の辺りは年中煌々と電気が付いている。
教師達は節電しろとうるさいが言っている割にはこれだから誰も自室でマメに電気を消す習慣がないんだ、とアスナは思う。
次の職員会議でのいい議題になりそうだ。
と、そんなことはどうでもいい。
早く木乃香を見つけて連れて帰らなければ。
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797 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2006/12/31(日) 17:33:09 ID:ID3TarZp
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10
「…………」
アスナは忙しなく走り回る足を突然止めた。
「……………
………そうだ…
刹那さんが…いないんだ…」
刹那はもう此処、麻帆良に居ない、という事実は元3-Aなら誰もが既知する所だった。
しかし、刹那が突然居なくなった理由は誰も知らなかった。ネギ、学園長、そして木乃香でさえも。
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