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888 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/10(水) 20:43:50 ID:shfZV8TZ
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4
「…いえ、何も。
少し、歩きましょうか?」
「ん。」
並木道を連れ立って歩く。
寒さのせいか人影はまばらだ。
本日主役の雪だが、一応…降ってはいる。
しかしその量がどうにも微々たるもので、道を白く塗りつぶすことも叶うかどうか微妙なところだった。
雪が降っているのだから効果音に「ざくざく」とか、いかにも『雪が降っています』的なものを使用したい場面ではあるが、現実は厳しい。
実際は路上に敷き詰められた落ち葉を踏む音ばかりが響いている。
「かまくらとか最後に作ったの、いつやろ」
「え?」
それがこちらへの問い掛けなのか、それとも自身へのものなのか判断しかねて私は疑問符に疑問符を返した。
「ウチ、多分小学生とかそんな位やなぁ。」
「私…は…」
正直言って、雪で遊んだという思い出はなかった。
雪の季節で記憶にあるのは、寒い方が鍛練になるから、という理由から外で竹刀を振っていたことくらいだ。
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889 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/10(水) 20:46:13 ID:shfZV8TZ
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5
「私は…稽古、ですね」
‘雪’に関する記憶をまさぐってみたものの、正直それしか思い浮かばない。
―それが少し、残念なような、さみしい…ような気がした。
不意にお嬢様が、
「作ろ?」
「えっ?」
「かまくらとか、雪だるまさんとか」
「積もりそうにないですし、少し難しいですよ?」
「ん〜、今ちゃうよ?」
「??
でも、」
今年はもう降ることさえないのでは、という言葉をお嬢様が牽制した。
「うん、せやから積もったらやって」
言葉の意味を掴めずに、私は首を傾げた。
「………せやから、
―ずっと…いっしょにおったら…
いつか雪だるまさんとか作れるくらいの雪降る年…、来るよ?」
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890 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/10(水) 20:47:24 ID:shfZV8TZ
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6
「…………っ
……そう、ですね…。」
お嬢様の頬が紅いのは、寒さのせいでしょうか、それとも…?
来年になるかな、もしかしたら再来年かもしれない。
麻帆良は雪国ではないからいつになるかはわからないけど、いっしょに、作ろうか。
かまくら、雪だるま、雪うさぎ。
それから…
2人でおそろいの、想い出を。
おしまい
次回
ちょこれーとがたいへんだ。3点
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