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20 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/17(水) 13:09:17 ID:k/GZ77cw
>>19

言われてはじめて気がついた。
自分の誕生日なんてすっかり忘れてしまっていたのだ。

「す、すいません」
「そんでなー?昨日の晩から、頼んで一日だけ部屋を交代してもらったんえ」
「ええ!?一体なんでまたそんな……」

驚く私に、お嬢様がにっこりと笑って言う事には

「あはは、せっちゃんに朝一番最初にお誕生日おめでとう、っていいたかったんや」

その言葉が、頭に、体に染み渡る。

「え、ええと、その、あ、ありがとうございま……」

感動したやら嬉しいやら、恥ずかしいやら驚いたやらで一体なんと答えていいやらわからない。
そんな私をお嬢様は抱きしめて

「それにしても、ウチびっくりしたわぁ。朝起きたらせっちゃんに抱っこされてて……」
「ぅあ!そ、それは……!!!」

昨日の晩、半ば寝ぼけてお嬢様の体に両腕を回したことまでは覚えている。
恥ずかしさのあまり逃げ出そうとして、背中がベッドの後ろの壁に突き当たった。

「すっごくうれしかったんえ?」

位置関係から見上げてくるお嬢様。
背中には壁、そして体に回された両手。逃げられない。

21 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/17(水) 13:09:50 ID:k/GZ77cw
>>20

これは、もう、観念するしか……?

微笑むお嬢様の唇が近づいてくる。答えようと私も目を閉じて顔を寄せようとしたその時。

「刹那ー!起きてるアルかー?ちょとネギ坊主の修行の事で相談があるアルよー?」

開け放たれた扉。驚いて、思わず互いに顔を離す。

「どこに居るアルかー?……あ。」

ベッドの中から目が合った。比較的恋愛沙汰に関しては鈍感である、と言われる古菲も、
さすがにマズい所に居合わせたと思ったのかもしれない。
部屋の時間が止まりかけたその時

「ちょ、何やってんのよ古菲!」

数人が部屋の中まで走りこんできて、あっという間に古菲を回収して走り去った。

「あははは、このか、刹那さん、ごゆっくりー♪」

呆然とする私とお嬢様に、最後まで残った早乙女ハルナが、冷や汗をたらしながら、
こっちに向かって手を振った。
そしてそのまま部屋から急いで走り出していく。

22 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/01/17(水) 13:10:46 ID:k/GZ77cw
>>21

「……ちょ!いつから覗いてたんですか!いつから!?」

姿が見えなくなってから、やっと金縛りから解放された私は、慌てて追いかけようと起き上がる。
しかし、ベッドから降りようとしたところで、寝間着の裾を掴まれた。

「あはは、追いかけんでええよ。それよりせっちゃん、続き、せえへん?」

そんな視線で見られたら……

お嬢様と、私は再び顔を近づけていく。今度こそ邪魔ははいらない、と思う。
さっきのさっきだったから、覗いている人も居ない、と思う。
私の十何回目の誕生日の朝、今度こそ、本当に二人きりで。

私達ははじめての口付けを交わしたのだ。

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