>>19
言われてはじめて気がついた。
自分の誕生日なんてすっかり忘れてしまっていたのだ。
「す、すいません」
「そんでなー?昨日の晩から、頼んで一日だけ部屋を交代してもらったんえ」
「ええ!?一体なんでまたそんな……」
驚く私に、お嬢様がにっこりと笑って言う事には
「あはは、せっちゃんに朝一番最初にお誕生日おめでとう、っていいたかったんや」
その言葉が、頭に、体に染み渡る。
「え、ええと、その、あ、ありがとうございま……」
感動したやら嬉しいやら、恥ずかしいやら驚いたやらで一体なんと答えていいやらわからない。
そんな私をお嬢様は抱きしめて
「それにしても、ウチびっくりしたわぁ。朝起きたらせっちゃんに抱っこされてて……」
「ぅあ!そ、それは……!!!」
昨日の晩、半ば寝ぼけてお嬢様の体に両腕を回したことまでは覚えている。
恥ずかしさのあまり逃げ出そうとして、背中がベッドの後ろの壁に突き当たった。
「すっごくうれしかったんえ?」
位置関係から見上げてくるお嬢様。
背中には壁、そして体に回された両手。逃げられない。
